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剣士さんとドラクエ[
32話 喪
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のみんなはククールとヤンガスを残して先へ行ってしまう。まぁ、それとなく打ち合わせていたんだけどね。さっさと話を聞いてくる組と魔物を狩り倒しつつ陛下と姫様の護衛をする組に分けることはさ。

「夜の闇はどうも魔物に力を与えるな」
「ボクも夜の方が力が出るけどねっ!よっと」
「……そうか」
「勿論腕力と握力だけど!」
「……そうだろうと思っていたが」

 ヤンガスと背中合わせに戦い、やや後方でククールがレイピアを振る。三人の方が護りやすく攻めにくいと思うよ。人数が少ないと簡単にヤンガスやククールや自分に降りかかる攻撃を払いのけれる。

 でも、……やっぱり魔物に対しては数負けするからなんとなく攻め(あぐ)ねるんだよなぁ。ちょいちょい攻撃も入れられるし。大抵は防具のミスリルが跳ね返すんだけど……偶に強い衝撃に息が詰まるんだよ。漫画とかで「かはっ」ってなるあの感じね。打撲は出来るけど血はめったに出ないってわけ。でも痛いものは痛い。

「エルトの真似っ!」
「槍も使うのか……」
「無駄口叩いてねぇで戦え、ククール!」
「……そうカッカするな、ヤンガス」

 まぁ、ちまちまやってても多勢に無勢。面倒だからエルトお得意の槍を私も使おうかな。私が自分で稼いだお金で特注した、重槍、義母上命名は「アビリティスピア」。重量は優に百キロは越え、切れ味抜群、だけど見た目は軽そう。

 この槍は私が仮に武器を奪われても相手は使えない。それに重力を無視する勢いで振らなきゃ本来の持ち味は出ないんだ。 ……代わりにエルトに貸しても振るってくれるかは疑問なんだけどね。

 私は魔力がないから、魔力を使う技が使えない。故に先輩兵士みたいに魔物を一閃突きとか、物語みたいにジゴスパークとかは努力しても出来ない。だからこそ、魔法の小細工なしのただただ重い槍なんだけど。切れ味鋭く重いだけ。単純に物理攻撃力を上げれば大抵の相手には勝てるからね。

 まぁ、私が薙払いするだけで魔物が大量に吹き飛んでいくんだけどさ。我ながら人外の力……誇りなんだけど、たまに怖くもなるね。

「……魔物が全滅したな」
「槍は一度に沢山攻撃出来るから実に便利だ」
「一応聞いてもいいか?お前が剣の方が得意だったとしても十分その力なら槍士として大成出来ると思うんだが、普段は何故使わない?」
「単なる好みかな。普段はエルトが槍使うし……そもそも僕は剣士なんだ。誰がなんと言おうとも、だれが止めても剣士だ」
「よくわからない理屈だが、そうか」

 そりゃ槍使うぐらいで私、弱体化なんかしないんだけど……槍は場所を取るからパーティメンバーに被りがあったら少し戦い難い場合があったりするし。

 昔から私は剣士、エルトは槍士って決まってたのもある。兵士の仕事中は決まった武器を持つけ
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