御使いのいる家 ぱ〜と2
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ければ!
「ゴルァてめぇテンプティ!?何を人の全財産堂々とパクッてやがる!?」
「げっ、ミツル!?やばっ、財布パクったのがバレたんだ………!逃っげろぉぉぉーーーっ!」
こっちに気付いたテンプティは猛ダッシュで闘争を開始。俺とテンプティのチェイスバトルが始まりを告げた。くそっ、人間辞めてるせいか見た目に反して結構足が速いぞ。
「いや〜ん!変質者が追いかけてくるぅ〜!誰か助けてぇ〜!!」
「てめ、卑怯な手を!!……だがいいのか!?そんなことを言っているとアドヴェントにチクってしまうぞ〜!?」
「ヒッ!?だ、駄目だよそんなの卑怯だよ!もぅ、何でアドヴェントはテンプティじゃなくていっつもミツルの味方ばっかりする訳!?」
「ハブられたことを未だに根に持ってんじゃね?」
「何でよ!!ドクトリンと違ってテンプティ謝ったじゃん!!いっぱい謝ったじゃん!!御使いは人間で言えば家族以上の存在だから許してくれてもいいじゃん!大体元はと言えば皆がテンプティを遊ばせてくれなかったのが悪いんだもん!テンプティ悪くないもん!!」
「はぁぁぁっ!?そんなガキみたいな言い訳通るか!!」
清々しいまでに幼稚な自己正当化に、俺の中で何か虹色の種みたいなのが弾けた。
見える、見えるぞ奴の動きが!今ならできる、ライダーの18番が!
「遊ぶんなら……自分のお金で遊びなさいキィィィィーーーーックッ!!!」
「きゃああああああああああああああああああああッ!?」
スーパーなイナズマのように流星の如く炸裂した衝撃の飛び蹴りが直撃し、テンプティは財布を手放して盛大に吹き飛んだ。
飛び蹴りから着地した俺は、くるくる回りながら落下してくるマイ財布を掴んでフッとニヒルに笑う。直後、吹き飛んだテンプティが先にあった公園の池の中にバッシャアアアアン!!と頭から突っ込んだ。
「ザマぁ見ろバーカ!俺の財布に手を出した報いだ!」
「うう、酷いよぉ……テンプティはぁ、楽しみを司る御使いなんだよぉ?ミツルみたいな人間と違って楽しいかどうかだけが存在意義になって生きてきたんだよぉ……?テンプティは遊べなかったらテンプティじゃなくなっちゃうんだからね!!」
「知るか。楽しみたいんなら自分の財布で遊べ!」
「じゃあサイフ買って!!」
無言でテンプティの頭をポカッと殴った俺は悪くねぇ。「イタっ!」と悲鳴を上げたテンプティは、叩かれた頭を押さえながら頬をぷくっと膨らませて非難がましい目で俺を見つめてきた。しかしそんなあざとさ全開の顔したって無駄です。例えそれに加えて噴水の水で服がスケて下着が丸見えになっていても、俺のアーマーマグナムは決して暴発しません。
そう、俺は御使いと違ってシンカしているのだ。決して「服が上手く着られません!」と助けを求めてくる
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