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御使いのいる家 ぱ〜と2
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御使いとなって失った筈の自己嫌悪の棘が心臓に……!」

 ゴミ詰めしてたサクリファイの思わぬ追撃に反論できなくなったアドヴェントはショボーンと肩を落としながらコンロを黙々と掃除していた。激おこ連合さん見てます?これがかつての神(笑)の姿ですよ。やぁーねぇー惨めだったらありゃしない。慰めてやろうかとも思ったが、やってきた事が事だけに反省させといたほうがいいだろう。

「嗚呼、アドヴェントから深い哀しみを感じます……しかし不思議です。彼の哀しみを見て、私の胸の内から哀しみとは異なる輝かしい感情が溢れてくるような………これが失った人間の心、『喜び』なのですね!」
「それ絶対なにか間違った喜びだよ!?」

 どことなく血色のいいサクリファイ姉が今までに見たこともないくらい弾ける笑顔を浮かべている。やだ、絶世なまでに綺麗だけどなんか怖い……。残姉ちゃんも何だかんだでぞんざいに扱ってくるアドヴェントに恨みを持ってたんだな、と思わせられる瞬間を目撃してしまった俺であった。



 = =



 時に、アドヴェントは以前「生活基盤を作ってお金を手に入れる」という旨の発言をしていた。
 大絶賛タダ飯食らい中の御使い共を抱える我が家の家系は火の車なので、この行動指針は素直に有り難いと同時にこれまでの損失分の補てんを期待される重要な話である。

 という訳で、ある日俺は御使いの外出先を尾行して確認することにした。
 なお、残姉さんは全くと言っていいほど外出しないのでお留守番である。とりあえず郵便物を受け取る方法は教えてあるし。唯一の心配事は通販や押し売りで変な物を買おうとしないかということだが、そこはアドヴェントのオシオキの効果を信じるしかなかろう。

 まずは一番働きそうな喜び厨、件のアドヴェントだ。自分勝手ではあるが一応ながら俺の意志を尊重しているし、我儘言い放題の他と違って色んなことに肯定的なこいつならばなんとかする筈。
 そんな期待の籠った俺の尾行に、アドヴェントは笑顔で手を振ってきた。

「……モロバレしとるがな」

 改めて。

 流石にモロバレだと恥ずかしかったのでアドヴェントは諦め、今度は淫乱ピンクの追跡をすることにした。淫乱ピンクめは俺の財布を片手に街に繰り出している………俺の財布!?咄嗟に自分の鞄に手を突っ込むと、いつものポケットに入れてある財布がない事に気付いて愕然とする。

「あいつとうとう俺の財布から金を抜き取らずに財布を堂々と持って行きやがった!!」

 これはマズイ。あの財布にはクレジットカードなどその他諸々の全財産を利用できる要素が集まっている。このまま放置すれば、最悪の場合俺の家は2日後に食糧難に陥って全滅する可能性がある。こうなってはもう尾行どころではない。一刻も早く奴を捕縛しな
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