30話 道中2
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ゼシカが頬を染める勢いで演じて見せたトウカ。すぐにブルっと身震いしてみせたけど、ねえ……君、プレイボーイにでもなるの?
ククールの客観視は……要らないと思うけどな。そういう人なんだと思って……。
すると、それまで笑顔だったトウカがふっと暗い表情になる。俯き気味になって……怖い。まき散らされている雰囲気というか、オーラがどんよりしている。ねえ、いきなりどうしたの。
「イケメン羨ましい、何をやっても許されるんだから……なぁ、エルトにヤンガスにククール……」
「……トウカや、おぬし、美的感覚は大丈夫かの?」
「父上は母上の顔を見て育ったので大丈夫かと、陛下」
さ、刺されるかと思った。イケメンとか、僕に限ってそれはない。トウカだって似たようなもので、美的感覚は人それぞれ。ククールに嫉妬するのは分からないでもないし、ヤンガスが見るからに力強い人だから、トウカの嗜好でイケメンなのは分かった。でも、隣のゼシカの顔を見た方がいいよ。思いっきりひきつってるから……。
「この見事なまでの童顔を見よ。この、十五、六に見られる悲しい十八歳の顔を」
「……悪くはないと思うんだが」
「そうか、ありがとう」
「トウカの兄貴はいつだって格好いいでがすが、どうしてそう、ネガティブになるでげすか?」
「ボクの振る舞いは人真似だからだけど。主に父上の子供時代。似合ってないでしょ?」
……ああ。なんか分かった。あの人ならしそうだ。
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