33部分:第三十三章
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第三十三章
「褒めてやるだぎゃ」
「わしに認められるものは賞賛だけじゃ」
まさに悪の科学者の言葉であった。
「それを今言っておくぞ」
「しかと聞いたぎゃ。それでは」
「次はわしの番じゃ」
博士が不敵な笑みを浮かべてみせてきた。
「見るがいい。わしのマシンの攻撃を」
「やはりレールガンだけではないのじゃな」
「勿論じゃ。やるがいい」
マシンに対してかけた声であった。
「その地獄の攻撃で今こそあの太閤を大阪城ごと消し去ってしまうのじゃ」
「っておい」
「大阪城も巻き込むの!?」
ライゾウとタロはまた博士の言葉に突っ込みを入れるのだった。
「それはやったら駄目だろ」
「そうだよ、折角空襲から生き残ったのに」
「博士だからね」
しかしこの言葉で説明充分なのだった。
「破壊が趣味だからな」
「何してもおかしくないじゃない」
「そうなんだよなあ。困ったことに」
小田切君の声は実際に困り果てたものになっていた。相変わらずビニールのシェルターに入ったままである。そのうえで戦いを見守っていた。
「大阪城が。このままじゃあ」
「大阪城は壊させん」
そしてヒデヨシが大阪城を守ろうとしていた。その大阪人の心の支えをだ。
「世の為人の為、させん、させんぞ!」
「ふははははははははは、そうは言っても形あるものは必ず壊れるものよ!」
完全に悪役の博士であった。
「それを今見せてやろうぞ!貴様自身を倒してのう!」
「ではそれを退けてみせるわ」
両者はこれまでになく激しく対峙していた。
「わしのこの全身全霊の力でのう!」
「ではやれ、車椅子よ!」
このガウォークに名前はなかった。
「そのミサイルであの太閤を天守閣ごと吹き飛ばしてしまえ!」
そうして車椅子から夥しい数のミサイルが放たれたのだった。優に千発はあった。
「何処にあんなミサイルがあったんだ?」
「さあ」
どう見ても内蔵量の限界は超えているのでライゾウもタロもまた言うのだった。
「あれだけの数のミサイル一度に放つなんてな」
「そうだよね。あんな小さな車椅子の何処に」
「しかもだよ」
そしてまた小田切君がここで言うのであった。
「ミサイルのそれぞれが凄い動きしてるし」
「確かになあ」
「凄いね」
見ればミサイルのその一発一発もそうであった。それぞれが複雑な動きを見せそのうえでヒデヨシに対して向かっているのであった。
それはまるでイリュージョンであった。物騒だがそれでいて美しい。ヒデヨシは今その無数のミサイルを前にしているのである。
ところが彼は。至って平然としていた。
「よけんのか?」
「よけるまでもない」
相変わらず堂々と立っている。
「わしのこの超時限バリアーを今見せてやろうぞ」
「バ
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