29話 道中
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言っているわけだけど、これは魔物や地形の調査も兼ねている。たまに飛び出してどっかに行きながら戦い続けているのは大体そう。勿論、テンションが上がりすぎて半分暴走しているものあるんだけど……それについては実に申し訳ないとは思っている。
特に回収しにくるエルトとか、心配しないでいいと何度言っても心配してくれるヤンガスには。ゼシカは慣れてくれたようで何よりだけど。いやあ、人間って適応力がすごいねえ。
で、調査している理由は陛下や姫の安全を確保するためっていうのが殆どで、残りは自分たちの安全のため、それから……私情だけど世界を見るため。この世界は前世よりも沢山の美しい自然があるんだ。それを見なきゃいけない気がして。それで迷惑をかけている自覚はあるんだけど、それだけは止められないかな。そりゃあ陛下にお止めになられたり、姫に咎められたら止めるしか無いんだけど、とても寛大なお二方は止めないでいてくださるから……。
にしても、魔物ってのはほとんど人間を見た瞬間に襲ってくる。何でだろう?自分より弱いやつだとものすごい勢いで逃げるから生存本能はあるみたいなんだけどな。自分のほうが弱いのに攻撃してくる奴はただの馬鹿だとは思うけど。たまにいるんだけどね。立ち向かう勇気と逃げない無謀っていうのは違うんだけどな……。
魔物は言うほど頭は悪くないんだけど、たまには人間みたいに馬鹿な奴がいる。どこでもいっしょみたいだね。……ここまで分かっていても、魔物にも確かに心があるって分かっていても自ら戦い、殺し続ける私は狂っているんだろうか。地球の、しかも日本で生まれておきながら倫理観なんて全部変わってしまったし……。
我ながら何でだろう。どうでもいいんだけど……ためらったら何も守れないのは分かってるし。守れない私なんて要らないから……悪いけど攻撃の意志が少しでもあるなら魔物は皆殺しかな。敵意がないのはたまにいるから、そういう魔物だけは放置だけど。それでも慣れ合う必要はないと思うんだ。それから、魔物だからってだけの理由で目の敵にする必要もね。
追いかけてくるエルトとヤンガスの足音に振り返りながら最後の一匹の首をストンとはねた。横薙ぎ一銭、片手で十分。倒した敵はスライムベスだから首って言っていいのかわからないけど、……ああ、正しく言うなら真っ二つかな。目と口の間で切ってみた。
……前みたいに料理……滅多斬りにはしないよ?あの時より魔物の数は減ったし、ふざけたら怪我するかもしれないから。今はそれほど創作意欲も湧かないし……自分の発想の限界にぶち当たった気分かな。
淡々と、というわけじゃないんだけど、結構機械的に魔物を倒している自覚はあるなあ。それは命を奪うただの兵器になってしまった気がするから、なるべく「戦い」自体を楽しむようにしている。そ
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