27話 文句
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に実演してみただけなんだけど。勿論それは分かりやすい脅し。……あの鉄格子の時のほうが簡単だったのは何だったんだろう。
「……トウカや」
「はい、陛下」
「それぐらいにしなさい」
「はっ、申し訳ございません」
……しばらく反応を楽しんでいたら、陛下にお咎めをもらった。 話が進まないし、時間の無駄だというわけですね、陛下。了解いたしました。さっさとククールさんを連れていきますとも。お詫びに何を貰ってもあんまりなんだけどな。
「わしが化け物扱いされたことを怒ったのじゃろう?」
「勿論です、陛下。私は陛下が慈悲深く、この者をお許しになろうとも、陛下に無礼を働いた者を許しません。少しならともかく、この者は陛下を牢に入れるという暴挙をしたのです。ですから、望んで下されば今すぐにでも切り捨てます」
「やめい。考えるのじゃ……彼を無駄に脅すことはトロデーンの恥になるかもやしれんぞ?冷静になるのじゃ」
「それは……。……」
「トウカ、口を暫し閉ざすだけでよい。お主がわしたちの事を人一倍大切に……家臣たちの中でも特に想っておるのは分かっているのじゃから」
……私が陛下をお守りするのは、私自身の忠誠心じゃないと、思うんだ。そのことを陛下は知っておられないから、そう私を高評価なさるのだ。小狡い心を、私は押し隠しているから。
私は、私自身が家族になってくれたモノトリア家に捨てられたくないだけなのに。打算的で、自己満足でやっているだけなのに。そんな汚れた忠義に、陛下はそこまで私の為に言葉を下さるのですか。
どうして。エルトは優しいし、私の親友であってくれる。ヤンガスはエルトを手伝っただけの私を敬う。ゼシカは本物の化け物染みた力を持つ私を見ても臆さず仲間でいてくれる。あの鉄格子みたいにぐしゃぐしゃにされてしまうんだって思って怯えてしまってもおかしくないのに。
マルチェロ団長は、オディロ院長を守るため、というなら決して間違った判断をした訳じゃない。鬱憤を晴らすためにやった私の方が、悪いのかもしれないのに、無理難題を押し付けたみたいだ。
口を閉ざそう、ご命令のままに。私の全ては、義母上と義父上のご意向のままに。つまり、モノトリアとして、王家のお方の、お言葉のままに。
「……陛下」
「なんじゃ、エルト」
「トウカはああみえてもネガティブにすぐ陥る思考回路なので……無言で自分を責めています。多分とんでもない方向に思考がとんでますよ」
「……扱いに困るの」
「ゼロか百ですから……」
「あやつの父にそっくりじゃの……」
私は義父上に似ているの?なにそれ嬉しい。
単純な私はその一言だけで機嫌よく無言でにこにことして、逆にマルチェロ団長に引かれていた。なんで。ゼシカもなんで引くのさ?忠誠心が重い?重
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