24話 破壊
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壊してやろう……あはは、見捨てた仕返しぃ」
「……陛下、これからトウカが格子をぶち抜いたり引き裂いたりしますからどうかお下がりください」
「……うむ」
トウカの言葉通りに現れたククールさんが、「どうしてか」明らかに捻れて引きつれてる格子の前で訝しげに立ち止まった瞬間、ニヤリとこっちを見て笑った、トウカは絹でも裂くかのように……でも、親友として贔屓目に見ても全力で格子をねじり開けた。ご丁寧にも扉部分を。
目の前でとんでもない技を見せつけられた哀れな被害者ククールさんは、目を丸くして固まってしまった。何となくゼシカをちらりと見れば、ややトウカに慣れたぐらいでは駄目だったのか、やっぱり固まっていた。さっきから静かだったから、最初にこじ開けた時からかもしれない。ヤンガスはまだマシではあったけど、それでも口がポカンと開いていた。
「……あはは、ククールさん。あんな恩を仇で返すなら……器物ぐらいは破壊するよ?脱獄なんて目じゃないんだから……」
「嗚呼……俺の初恋よ……」
「……ん?まだ破壊が足りないかい?なんか言った?」
何かククールさんが呟いたような気がするけど、あまりにも小さな声だったからよく聞こえなかった。
「……力の種はいくらお召し上がりになられましたか?」
「失礼な!ボクは生まれてから一個だけ味見したことならあるけど、力は自分でつけたよ!」
トウカは憤りを隠せないように格子を叩いた。その度、めきょっと、そんな音がする。……あぁ。また格子がぐにゃぐにゃと曲がっていくよ……。ねえ、手袋はしてるみたいだけどそんなことをして手は痛くないの?流石のトウカでも、そこまでとんでもない力を出しているのを見たこと無いんだけど……。本気で怒っていて我を忘れているにしては言葉が柔らかめだから……何だろうな。最早ふざけてるよね。……また強くなったのかな?
「……そうか」
「ボクは物心がつくや否や剣をとったんだ!毎日毎日一生懸命走って体力をつけて、筋トレは体の成長を阻害しないギリギリまでやったんだ!……それでも今はそれはもう残念な身長で止まっちゃったから気にすることなく全力でやってるし!今だって服と防具と武器で最低二百キロはあるんだぞ!生きてるだけで筋トレなんだぞ!」
「……すごいな」
「……あーー……トウカ、鉄格子のドアをバキバキに折らないで、こっちに飛んできたら危ないよ」
こう、トウカが鉄格子を掴んで後ろに引っ張るだけでバリバリ外れる訳だ。圧倒的な力ってさ……魔法とか建築技術とか、そういったもの、常識とか摂理とかみんな吹き飛ばしてしまうのか……ははははは。
「よいしょっと」
「……嘘だろ。鉄格子を……素手で壊して……」
「あ、鍵持ってきてくれていたんですか、ククールさん」
「あぁ……」
「友人が
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