23話 嫌味男
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の聖堂騎士が入ってくる。
その瞬間、黙殺されたトウカから、こっちまで息苦しくなるような殺気が噴き上がった。……ああ、うん。僕もだね。こんな風に冷静な考えを持てているのが不思議なぐらいだ。
打つ手、というのは陛下のことだった。無礼な聖堂騎士に連れて来られた陛下はこちらに助けを求められた。勿論陛下は、怪しげな魔物じゃない。でも、そのことはこいつには判別できないようだった。仮にも教会の人間が……。聖堂騎士団長という立場でありながら!無能かこいつ!教会関係の建物に入れる邪悪な魔物なんているか!
「おい、その薄汚い手を陛下からお離ししろ。さもなければ」
「その魔物を殺すことはたやすいのですぞ?」
「……」
「埒が明きませんな。では、暫く牢に入っていただきましょう」
無知って怖い……その気になればこの部屋の聖堂騎士を瞬殺できるというのに。それをしなかったのはトウカも冷静だったのかもしれない。口調こそ……僕の求めていた冷静さとは程遠かったけど。単に陛下に血を見せないためだけに耐えたのかもしれないけれど。
そして、僕たちは、連行された。薄暗く寒い地下の牢屋に入れられ、頑丈な鍵までしっかと掛けられたのだった。
……ちらりとあの赤い聖堂騎士さんを見かけたのだけど、なんで助けてくれなかったんだろう。上司に刃向かえない、とかかな……それとも恩知らずだったりするのかな……。
誰か助けて。
・・・・
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