32部分:第三十二章
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第三十二章
「さて、どうなるかな」
「そうか。雷で無理ならばだ」
言いながらもまだ空を暗雲で多い雷を落とし続けているヒデヨシだった。それは最早下手な爆撃よりも恐ろしいものになっていた。
「今度はこれじゃ」
「何を出すつもりじゃ?」
「風よ、吹き起これ」
言いながら今度は風を起こしてきた。それはただの風ではなくまさに台風であった。雷が効かないと見て台風を起こしてきたのであった。
「台風!?今度はそれかよ」
「えらく小型の台風だけれどね」
しかし台風は台風である。しかもその威力は。
「うわ、小さいけれどあの台風凄いよ」
「どれだけの強さなんだ?」
「それであの台風は」
ライゾウとタロはヒデヨシが己の前に出したその台風を見ながら小田切君に問う。見れば小田切君はかなり狼狽したような顔になっている。
「伊勢湾台風の倍はあるよ」
「えっ、あの関西を大混乱に陥れたっていうのあの台風かよ」
「あれの倍だって!?」
「そうだよ。それだけの威力があるんだよ」
小田切君は相変わらず天守閣の頂上で仁王立ちしそのうえで台風をその前に出している超時空天下人を見て言うのであった。
「あの台風は」
「よくそんな台風出したもんだよ」
「また随分滅茶苦茶なことやるね」
「滅茶苦茶なんて言葉あの二人の辞書にはないしね」
そもそもそんな言葉すらないのであった。彼等の中には。
そうしてヒデヨシはその小型だが凄まじい威力の台風を放った。台風はこれまた凄まじい衝撃音を響かせながら博士に襲い掛かってきたのであった。
「さて、博士よ」
「これに対してどうするかじゃな」
「そうじゃ。どうするのじゃ?」
「何、簡単なことじゃ」
博士はその車椅子のガウォークの座席で仁王立ちしたまま言葉を返すのだった。
「わしのこのマシンでのう」
「我が無敵の台風を潰すとでもいうのか?」
「その通りじゃ。この車椅子一つで惑星を破壊することも可能じゃ」
まさに核兵器以上の凶悪な兵器なのだった。
「そんな台風程度のう」
「何処をどうやったらそんな車椅子ができるんだ?」
「無茶苦茶な話がどんどん続くね」
ライゾウとタロはここでまた呆れてしまったのだった。
「何か物凄いマシンだけれど」
「どうなるのかな。本当に」
「受けてみるがいい。リニアレールガン」
これまた現代の技術では到底開発できない兵器であった。
その言葉と共に両手のそれぞれの砲口に光が宿る。それは左右にそれぞれ三つずつ、合計六つある。その全てに光が宿ったのである。
そうしてマシンは空中を上下左右に激しく動きながら攻撃に取り掛かってきた。激しい動きをしながらも狙いは正確であった。
「見るがいいわ!」
博士はマシンの上に仁王立ちしたままだった。
「この車椅
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