20話 恋
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れそうになって、無理やり目をそらし、旧修道院跡地からオディロ院長の元へ行ってくれないかと頼んだ。彼女はそこらの町娘よりは旅慣れていそうだったが、不安には違いない。だが、それを心配する時間は残念なことになかった。
しかし彼女と仲の良い青年や目つきの悪い男は腕が立ちそうだったし、気の強いレディは魔法が使えるのが分かっている。彼らなら何とかなるだろう。
二つ返事で彼女と青年……エルトというらしい……が頷くや否や四人は出口へ駆けだしていった。それを見送りながらもどうしようもなく不安になる。旧修道院跡地は決して安全ではない。恥ずかしいことに一目惚れしてしまった彼女を危険な場所に送り出してしまったことは悔やまれた。オディロ院長の安全の為とはいっても……。あそこは陰気臭いただの修道院の跡地ではない。今は強い魔物の巣窟なのだから。
「……神よ」
こんなところで祈るとは。こうもまともに神に祈るのは久しぶりかもしれない。だが、祈りを捧げる。オディロ院長の安否を、そして彼女たちに危険が迫らないように。
数日後、俺はトウカに多大なる幻想を抱いていたばかりか、失恋から自分にホモ疑惑までかけることになるとは考えもしなかったのだが。修道院にいる奴らと同じになるとはな……。
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