19話 聖騎士
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ざぶざぶざぶ。ごしごしごし。たわしを使ったら生地がめちゃくちゃになりそうだから手でもみ洗いするしかない。寒い季節じゃないのが幸いか。
何をしてるかって?さっき無様にも汚した服を洗濯してるのさ、手洗いで。……前世で経験してなかったら今世では手洗いなんてやったことがなかったから出来なかったところだった。無論、この世界に洗濯機なんて便利なものは無い。魔法で開発とか出来ないのかな……。
「それにしてもこの石鹸本当によく落ちる……!」
「剣士様も気に入ってくれたようでなによりさ」
ドニへ着くとすぐに宿をとって、洗濯させてもらう。なんの、上一枚脱いだぐらいで別にまだまだ着てるから大丈夫。下の腕当てとかチェインメイルが露出するだけだから。見た目は今から魔物を倒しにいきます!みたいな感じでかなり無骨。なんか町の人が遠巻きなのは……気のせいかな?汚れは魔物の血だから一応果報者だよな?……恩を売るためじゃないからいいんだけどさ。
取り敢えずさっさと洗い上げて物干しを借り、干させてもらう。天気もいいしすぐに乾くことだろうな。汗ばむ陽気だからな。それにさ、髪の毛が濃い茶色だからどうも暑くって。勿論、前世の黒よりはいくらかマシだけどさ。ああ、暑い。髪の毛をくくってなかったらもっと暑かったかもしれない。
で、私の洗濯を手伝うことなく傍観していた三人は口々に好きなことを言い始める。ヤンガスは申し出てくれたから断ったんだけども。別に私の過失だから手伝えとは言わないけどそこまで手持ちぶたさにされたらなんか気まずいんだけど。
「洗濯出来たの?手慣れてるね」
「元小間使いのエルトには負けると断言できる。だけど生きるのに必要なぐらいの家事が出来なくてどうするんだ」
「至極真っ当な意見だ……」
十年も一緒に居ておきながらわりと酷い言い草。私は甘やかされて貴族をやってたわけじゃないのを一番近くで見てた癖に。……たまにエルトはすっとぼけるよね。でもまぁ、確かにその疑問は正しい。身につけたのは私こと「トウカ=モノトリア」じゃなくて前世の「遠藤桃華」。家事はモノトリアでやらさせてはくれない。というか使用人の仕事は取っちゃいけない。取ったら最悪、取られた人が解雇だからね……。
「手際いいでがすね」
「汚れてすぐだからね」
……ヤンガスから見てもそうなのか。手洗い含め前世の母さんのお手伝いは十八年経っても役に立ったなんて。……あの頃は思いもしなかったな。 たまには女の子らしく親の手伝いでもしようという私にしては珍しい可愛げが役に立ったみたいだ。
「……あたしにも出来るかしら?」
「練習すれば出来ると思うよ。ただ、今は止めといたら?」
手伝いというよりは練習台として見てるよね。私の服を。汚れの主成分は魔物
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