18話 修道院
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な痣でも出来たんだろうな、とどこか他人ごとのように考えながらそのリンリンを踏み砕いた。
幸いにもダメージを受けたところを誰も見てなかったみたい……というか単騎突撃していた私よりも、普通に戦っていたエルトが手酷く攻撃を食らってて、それに気が取られたみたいだ。うん……あれは間違いなく私より痛い。血まで出てる。持ち物の中からアモールの水を掴み出し、遠投してぶつけておく。ぶつけるのは痛いって?そんなことはないよ。当たる前に原理がわからない魔法か何かで瓶が消滅するから。ぶっかかるのはアモールの水だけ。
「ありがとうトウカ!」
「気にすんな!」
バトル漫画の主人公みたいに大剣をぐるっと体の周りに回転させ、担当区域を一掃。勢い良く腰の剣を投げつけて、遠方のゼシカを襲うでんでん竜の頭を貫き、右手の大剣を振りかぶる。唸りをあげて襲い来るげんじゅつしは魔力が尽きたのか体ごと突っ込んでくる。鬱陶しい。
無意識に踏み抜き、そのまま別の魔物に向かって跳ぶ。げんじゅつしの体液をもろに被ってしまったが、その勢いのままリンリン三匹を纏めて切り捨てた。横薙ぎ一閃、という感じかな。これで一帯の魔物は殆ど倒した事になる。また沸く前にさっさと町に行かなきゃな……。
「……おぉう……気持ち悪い……」
「……これはすぐに宿に行くべきだね……湯浴びしないと」
「風呂に入りたいな……」
「そんな時間はないのに……ゼシカ、これがトウカだよ。常にマイペース」
わりと酷い言いようじゃないかエルト。たしかに私はマイペースはマイペースだけど……風呂は其処まで珍しいものじゃないはず。私は風呂が短いからそれは問題じゃない。というか冗談のつもりだったんだけど、真に受けないでよ……。
「服の大部分が白いから気をつけていたというのに、やらかしてしまったこの気持ち。今すぐ服を洗いたい。あと恥ずかしい……避けるとか研究したとか言ったのに……」
「……ん?あれ、もしかしてかぶったの服だけ?」
「無論。染み込みもしてないよ」
というかこの緑色、すごく気持ち悪い。魔物は血すら赤くないのか、それともげんじゅつしが特別なのか。取り敢えずこの物体とこれ以上関わり合いになりたくないなぁ。……芋虫色に嫌悪感を抱いても私は悪くない。
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