11話 復讐心
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女性の声だ。もしかして、探し人の……。
「あんたたち、また……!」
「えっ、ちょ、いろいろと違う!」
今にもこちらを攻撃しそうな雰囲気にびっくりしてトウカが叫ぶ。現れた彼女はツインテールに強気で勝ち気な瞳。間違いない、探し人のゼシカさんだ。だけどこの状況で何を勘違いしたのか、仇のように睨まれた。
「兄さんを殺した盗賊……許さない!」
ああ、本当に仇と間違えられているのか。こちらに有無を言わせず、攻撃魔法を唱えられた。慌てて転がるようにして避ける。トウカは跳ね起きて過剰な程に跳躍した。その顔にははっきりとした恐怖。先程よりも顔色は白く、そこまでこわばった表情は見たこともないほど。目はカッと見開かれていた。
その動きにはさっきまでの体調不良はどこへいったという感想を抱く。……たしか、魔法に人一倍弱いんだっけ……。受けたら本気で命が危ないって……言ってたな。それは、逃げるよ。
「ちょこまかと!」
「ち、違うから!」
トウカ、僕、ヤンガス。次々と連続で魔法を飛ばしては避けられて、苛ついたのか彼女は事もあろうにこんなに魔力が充満した部屋で一際時間をかけて魔法を詠唱する。視界の端では慌てふためくヤンガスと、変わらず顔を盛大にひきつらせたトウカがいた。剣を拾いなおして弾く準備まで整えている。
――止めなさい、魔法を止めるんだ、ゼシカ!
後少しで魔法がこっちへ放たれると言うところで、不思議な声が聞こえた。頭に直接話しかけられたかのような……。そんな、若い男の人の声。どことなくゼシカさんの声に似ているような……。
「止めろったって……!もう止まらないわよ!」
最大級の威力を込められて放たれた魔法は、女神像……もといリーザス像に当たり、赤い炎を高く高く燃え上がった。
・・・・
何故か、村人しか開け方を知らないはずの扉が開いているリーザスの塔。
それに訝しむサーベルトさん。勿論彼は異変がないか塔に入る。
問題なく上り詰めた先の最上階。異常はは見当たらない。
そこに現れる不気味な道化師。
狂ったような笑い声。
殺害。
当時の様子が頭に流れ込んできた。サーベルトさんの無念がひしひしと伝わってくる。そして悟る。ドルマゲスは、やはりここにも来ていたんだと。
ドルマゲスは、何を考えているの?ドルマゲスは、彼らを何故、殺した?
最初はマスター・ライラス。自分の師匠。まだ、関わりがあっただけ分からないわけではない。でも、どう考えてもサーベルトさんとドルマゲスの接点が思い当たらない。二人の共通点は……何だろう。種類は違うけど、実力者であること?
・・・・
・・・
・・
・
「ゼシカさん、泣いてた」
ぽつりと、ト
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