10話 異変
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盛大に見くびって見下して……ここまでならまだ「はいはい分かりましたーー」で済んだんだけど……。
ゼシカさんがどれだけ素晴らしい人なのかを語るわ、そのゼシカさんがどんな素晴らしいプロモーションのお方なのかを語るわ、二回目だけど自分の生まれついての身分を自慢しまくるわ、聞いてるこっちの社交スマイルが引きつりそうなレベルで怒涛の勢い。要所要所でこっちを貶すのは止めてくれ……。
を、三ループしたので適当に切り上げたってわけだ。もう私のHPはゼロだ……。
「……あんなやつになんで貶されなきゃいけないんだろうか」
「ちっ?」
「ゼシカさんが可哀想でならない……」
ぷにぷにほっぺをひたすら揉んでみると流石に抗議するかのようにトーポが見つめてきたので手を離した。そしてエルトのやっているみたいに肩に乗せてみた。うん、高さが何時もと違うからか動かないね。
「……さて。エルトに会いに行こうか、トーポ」
「……ちゅ!」
小動物って可愛いな。
後々正体を知った暁にはブチ切れたくなるが。可愛いとか言ったのに。
・・・・
・・・
・・
・
「一つ、報告がある」
何だかんだいろいろあって、我ながら端折り過ぎではあると思うけど私たちはリーザスの塔でゼシカさんを探すことになった。
因みにあの後トーポはゼシカさんの手紙を取ってくるという大活躍してくれたり、ポルク君がリーザスの塔の扉をスタイリッシュオープンしてくれたり、カエル型の魔物の気持ち悪さに思わず無表情になったり、いろいろあった。
で。今私たちは勿論リーザスの塔に居るわけ、だけども。私の体調が、塔に入った瞬間に異変が生じた。それはリーダーであるエルトに報告しない訳にはいかない。最初は気のせいだと思うレベルだったんだけど、もはやそういうものではない。
「どうしたの」
「右目が痛い」
「……え」
「見えない癖に、役立った試しがない癖に右目が痛い」
というわけなんだ。しかも歩きながら話している今、進めば進むだけ痛くなっていく。じくじくとした怪我らしい痛みではなく頭や体中に響くような鈍痛だけど。そろそろ剣を持ち上げるのがだるくなってきた。重症だ。
「……どれくらい?」
「一回一回は剣の柄で軽く殴られたぐらい。ただだんだん痛くなってはいるし、留めなく続いている」
「……ホイミ」
こんなこと、前にもなんかあったような。…………。……あぁ、そうだ。前はトロデーンが呪われた時だ。あの時は首の傷跡まで痛かったけどな。今はそれがない。けどあの時は一瞬だった。持続は辛い。
魔物を殲滅するのに今のところ、一応支障はないけど。例え剣が持ちあげられなくたって素手でも、同じ速度でこの程度の魔物は抹殺可能だから。ちなみにせっか
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