7話 向上心
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ンスレイヤーになれるかな」
「トウカならきっとなれるよ」
「だからさ!是非ともドラゴン斬り教えてよ」
「いいけど……」
何とはなしに習得した特技について少し言ってみれば、街とかでは比較的大人しいくせに実は戦闘大好きなトウカが食いついてくる。
トウカは心まで生粋のバトルマスター。だからというか、戦うのが好きだよ。でもそれはスポーツ的意味合いで、命のやりとりが無ければだけど。男女差別なく叩きのめすよね。勿論命のやりとりがあったって叩きのめしてしまうんだけど。
でも、命のやりとりで気を抜くことはないし、その上で冷静なら負けなしだろう。今は、あんなことがあった後だからちょっと不安でもある。……トウカより弱い僕が言うな?その通りすぎて心が痛い……。
普段はね、どんな模擬戦でも、どんな多対一でも、赤子の手をひねるようにあっさりと、小さな虫を潰す如く、プチッと倒してしまうのを見ているけど……。
あ、でも結構辛辣。失礼なぐらいに。……叩きのめした後に口を開いて言う言葉は「雑魚すぎてあくびが出る」だとか「本気で来てよ」だとか「雑魚アンド雑魚、もうちょい強くなってからじゃないと」とかで……。もちろん相手の心をポッキリ折って……。言い返せるほど強い人はあんまり見ないし……。思い出したら胃が痛くなってきた……。
「上からこう、切り裂くみたいにやればいいんだよ」
「……見様見真似じゃ出来なかった。そんな見取り稽古するよりも役に立たない助言もらっても……ね。見ている限りドラゴン斬りは魔力を使わないみたいだし、ボクにも使えそうなのになぁ……目の前でやってもらっているのに使えないなんて、久しぶりだよ」
それは見るだけで技を盗めてたってところにツッコめばいいのかな?でも出来なかったもあるのか、ドラゴン斬り以外にも。
「あ、でもボク、エルト以外にドラゴン斬りをやってる人みたことない。良くあるドラゴンが悪役の物語とかの必殺技に出てくるぐらいかな?」
「……どうだろう」
気にしたこともないから分からない。だれか同期がやっていなかったっけ。先輩にいたような。いや、後輩だったかもしれない。はっきりした固有名詞は出てこないけど、やってそう。ドラゴン系の魔物は少ないけど強敵だからだれかはやってるはずだし。
「……まぁいいや。さしあたって使うわけじゃない。ドラゴン系でもはやぶさ斬りが効かない訳でも火炎斬りだと弾いてしまう訳じゃないし」
独り言をぼそぼそ言いながら納得したらしいトウカは素早く目の前のプークプックの笛を叩き落としてばきりと踏み砕いた。鉄板みたいな堅いものを攻撃用に仕込んでいるトウカのブーツはあっさり笛を踏み砕いていて、こんなに強いならドラゴン斬りなんていらないと切に思う。これ以上強くなれるのか疑問になっ
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