30部分:第三十章
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指差したのはその天守閣の頂上であった。二匹の鯱の間にあの彼が仁王立ちしていたのであった。それはまさに覇者の姿であった。
「いますよ、ちゃんと」
「ふむ、そこにおったか」
「来たか、我が強敵よ!」
ヒデヨシもまた大音声で博士に対して告げてきた。
「待っておったぞ!」
「待たせて悪いとは思わん」
博士の辞書には謝罪という言葉も存在しない。謝罪する位ならそもそも趣味で生体実験なぞ行ったりはしない。だからこそマッドサイエンティストなのである。
「全くのう」
「わしもまた謝罪して欲しくもない」
そしてそれはヒデヨシもなのだった。
「そんなものは一銭の価値もないものじゃ」
「この辺り時代が出てるよな」
「そうだね。一銭だからね」
ライゾウとタロは今の博士の言葉からそういうことまで読み取ったのだった。
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