暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン46 鉄砲水と毒蛇の神域
[5/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
少しデスデュエルに深入りしすぎたようだな。ついてくるといい、私とデュエルがしたいのだろう?ここだとくだらん邪魔が入る可能性があるからな。それに、近づけば近づくほどより良質なデュエルエナジーを回収することもできる」
『ふぅん……?まあいいさ、コブラ。ボクは彼にさえ会うことができれば他に興味はない、好きにするといいよ』
「………」
『見え透いた罠だな』

 全く持って同感だ。だけどそれは裏を返すと話が早い、ということでもある。とんとん拍子に話が進みすぎてどんどん後戻りができなくなってきている現状への不安がちらりと頭の片隅をよぎったけれど、すぐにそんなものは別の感情に塗り潰された。それはやる気……ここまで来た以上どうやったって引くわけにはいかないという思いが、僕にクソ度胸をつけさせたのだ。それに僕が今ここにいること自体がもとはと言えば自分でまいた種、キッチリけりをつけるのが筋というものだろう。
 深く息を吸い、チラリと自分が入ってきた壁の穴の方を見る。たった今通ってきたばかりの夜の森の風景が、なんだか妙に遠くに見えた。





 コブラの後をついて歩き、しばらく……といっても、せいぜい数分といったところだろう。突然、コブラがある部屋の前で足を止めた。入り口の電子ロックに何事か打ち込むと、ややあってゆっくりとその扉が開く。

「これは……?」

 思いのほか広かったその部屋は、中心に何の変哲もないデュエルリングが設置されていた。そしてその周りを囲むように設置された、この手の施設にはお決まりの隣の部屋からデュエルリングの様子を見るための防弾ガラス。 SALも、昔はこのデュエルリングでデュエルをしていたんだろうか。一体どんな気分であの機械を身に着け、デュエルモンキーと化していたんだろう。


「昔ここでやっていた研究の名残だ。まったく、くだらん金の無駄遣いだな?だが、まだこのデュエルリングは生きている。さあ、まだ勇気があるならばかかってこい。私は逃げも隠れもしないぞ?」

 デュエルリングの片側に立って分厚い唇をゆがめ、あからさまに挑発してくるコブラ。その態度は非常に気に食わないけど、これ以上デュエリストに言葉は必要ない。もう片方のスペースに上がり、デュエルディスクを構える。これまで倒れた皆のため、そんでもってこのふざけたデスベルトのせいでいい迷惑を受けたこの学校全員のため。さあて、デュエルと洒落込もうか……!

「「デュエル!」」

 この後で襲い来る例の喪失感の準備なのか、腕のデスベルトがギラリとオレンジの光を放つ。不穏なその色に照らされながら、先攻となったコブラがカードを引いた。

「私のターン。魔法カード、強欲で謙虚な壺を発動。デッキトップ3枚をめくり、その中で好きなカード1枚を手札に加える。ダメージ・コン
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ