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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン46 鉄砲水と毒蛇の神域
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を晴らしたくてうずうずしているのだからな、無論私も含めて』

 霧の王、お前もか。いくらなんでもこれはやりすぎだと思うんだけど、まったくもう。とはいえもう切っちゃった壁が元に戻るはずもない、悪い気はしないけど、ね。

「まあ、どうせ半分廃墟だし構わない……のかな。んじゃあチャクチャルさん、ここからどうすればいいと思う?」

 そう尋ねたのには理由がある、なにせこの建物は無駄に広いのだ。外から見れる部分だけでも地上3階ほどはあるから覚悟はしていたけれど、エレベーターの表示や下りの階段を見る限り地下にもそこそこの規模で広がっているらしい。別に上からしらみつぶしに当たっていってもいいけれど、それは流石に時間がかかりすぎてしまう。

『ふむ……』
『君たち、一体何の用だい?困るなあ、邪魔してもらっちゃ』
「っ!?」

 チャクチャルさんが何か言おうとした矢先、第3者の声が辺りに響いた。咄嗟に左右を見回すけれど、声の主の姿は見えない。だけど、どこからか視線を感じる。こちらをじっと見つめている、冷たい目つきが頭の中に浮かんだ。

「誰だ!?」
『ボクかい?名乗るほどの者じゃないさ。ただ、ここから出て行ってもらえないかな?もうすぐ、本当にもうすぐ愛しの人に会えるんだ。普段ならこの場で消えてもらうところだけど、ボクは今彼に会える喜びで機嫌がいいからね。今すぐここから立ち去るなら、特別に見逃してあげるよ』

 物腰こそ柔らかいけれど、その声の調子にはぞっとするほど人間味がない。いや、人間味がないというのは少し違うかもしれない。何かこの声には、病的なまでの執念のようなものを感じる。それだけに選択を間違えたときが怖い、下手なことを言うとその時点で詰みかねない。

『……もう散々愛しの彼を待ったからね、あまり辛抱強く待つ気はないんだ。早く答えてくれないかな、今すぐここから出ていくのかどうか』
「え、えっと……」
「その必要はありませんよ。これはこれは、飛んで火にいる夏の虫、だな」

 突然目の前にあったエレベーターのドアが開き、またもや廊下に響く声。だけど今度はこの謎の声とは違い、これまでの数日間で何度も聞いた覚えがある声だ。

「プロフェッサー・コブラ……!」
『探す手間が省けたな』

 巨体のコブラが放つ威圧感を前に、むしろ楽しそうにすら見えるチャクチャルさん。確かに本気を出せばナスカの地上絵サイズ、そこらのビルより大きなチャクチャルさんにとっては人間基準で巨体のコブラなんぞどうということないのかもしれないけど、精々170センチ強の僕にとっては最初からガタイの差で負けている。そりゃあ喧嘩は馬鹿力だけが要素じゃない、デカけりゃいいってもんじゃないけどさ。

「遊野清明。お前がここへの一番乗りになるとは意外だったが、お前も
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