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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン46 鉄砲水と毒蛇の神域
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るにはまだ早い。僕には確かに手札もないけれど、まだ次のターンまで生き残れる可能性がある。そんな可能性があるのなら、次のドローカードを僕が引くまでは決して諦めるものか。このデッキの一番上に眠るカード、これが僕の手に残った正真正銘最後の希望だ。

 霧の王(0)→(1) 攻4100→3600

「私のターン。このデュエルも、もう終わりにしよう。出でよ、ヴェノム・スネーク!」

 このデュエルの最初の方でも見た、黒地にオレンジの縞模様を持つ蛇。

 ヴェノム・スネーク 攻1200

「ヴェノム・スネークは1ターンに1度、自身の攻撃を封じる代わりにモンスター1体にヴェノムカウンターを1つ植え付ける。これで霧の王のヴェノムカウンターは『2つ』だ」
「………ッ!」

 鎧を突き破るほどの毒蛇の牙が霧の王の腕を捉え、その腕が変色していく。苦しみながらもその剣は話さなかったが、すでにヴェノミナーガをもう1度切り裂くだけの体力はその体に残っていなかった。

 霧の王(1)→(2) 攻3600→3100

「バトルだ。ヴェノミナーガで攻撃、アブソリュート・ヴェノム!」

 再び毒蛇の、猛毒の奔流が霧の王を飲み込む。精彩を欠く動きながら懸命に抵抗するも、その数の暴力が1匹、また1匹と抵抗を潜り抜けその体に食らいついていく。その数に比例してその全身が次第に変色していき、それと同時にますます動きも鈍くなり、そして……その動きが、ついに完全に止まる時が来た。

 毒蛇神ヴェノミナーガ 攻3500→霧の王 攻3100(破壊)
 清明 LP300→0





「ぐ……僕が、負けた……」
「さあて、それではお楽しみの時間だ。命の保証はしないがな」
『マスター!今私が』
『誰だか知らないけどさ、せっかくのデュエルエナジーなんだ。思ったよりボクの復活にはパワーが必要そうだし、邪魔をしないでくれるかい?』
『邪魔を……!するな……!』
『へぇ……!凄い力の精霊だけど……ここは、止めさせない、よ!愛しの彼に……十代に!ボクはまた会うんだ!』

 ソリッドビジョンが消える。それと同時に、視界がどんどん狭くなっていく。チャクチャルさんから一瞬だけすごい勢いで供給されていた地縛神のパワーもあの謎の声がまた聞こえた瞬間に何らかの方法で断ち切られ、これまで見たこともないほどの光を放つデスベルトが僕の体力を直接、根こそぎ剥ぎ取りにかかる。
 意識が途切れる最後の瞬間まで、あの謎の声が言った最後の言葉……十代の名前が、僕の頭の中でずっとリフレインしていた。
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