ターン46 鉄砲水と毒蛇の神域
[12/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が上昇する」
毒蛇王ヴェノミノン 攻2500→3000
ヴェノミノンの攻撃力がさらに上昇し、ついに僕の白夜龍と並ぶほどの数値になった。早く対処しないと、こっちもどんどん手が付けられなくなってしまう。だけど、今はこのターンをしのぐことだけ考えたほうがよさそうだ。このまま今の2枚ドローでいいカードが引けていなければ、あるいは。こんなふうに考える相手依存の時点ですでに相当ピンチではあるけど、そういった部分でのプライドはもう諦めた。終わりよければすべてよし、石に食らいついてでも勝ちに行こう。
「……ヴェノム・ボアの効果発動。グレイドル・アリゲーターにヴェノムカウンターを2つ植え付け、攻撃力が0を下回ったことでスワンプの効果により破壊する」
グレイドル・アリゲーター(1)→(3) 攻500→0
吐き出された毒液が緑の体をみるみるうちに紫色に染め上げ、形を保っていられなくなったアリゲーターの体が崩れる。だがただ崩れて終わりではない、むしろ本番はこれからだ。
「この瞬間、魔法カードの効果で破壊されたアリゲーターの効果発動!相手モンスター1体に寄生し、そのコントロールを得る!さあこっちに来い、ヴェノミノン!」
毒沼の上を、まるで水面に油を引いたかのごとくグレイドルの銀色が流れる。一定のスピードを保つそれがスルスルと大蛇の体にしがみつくと、多少の抵抗の後その蛇がこちらへゆっくりと這いずってきた。その頭だけではなく、両腕の指部分を構成する蛇全ての額にも銀色の紋章が薄く光を放つ。
毒蛇王ヴェノミノン 攻3000→0
「攻撃力が……」
わかってはいた。僕だってそこまで馬鹿じゃない、こうなることはわかっていた。ヴェノミノンの攻撃力はあくまで『自分の』墓地の爬虫類族に依存する。僕の墓地に爬虫類族なんて1体もいないから、当然コントロールが変わればその攻撃力は0になる。だけどそれでも、ここはヴェノミノンのコントロールを奪うしかなかった。ここでボアのコントロールを奪おうものなら、攻撃力3000のヴェノミノンの一撃を受けて確実に負ける羽目になった。少なくともこのターンで効果を使ったボアは攻撃ができないから、このままモンスターさえ出てこなければこのターンは凌ぐことができる。
……それでもその後どうする、という問題はまだ続くけど。ただ今この瞬間の状況では、不本意ではあるけれどこれが最善手だ。そして幸いにも、コブラの手にこれ以上召喚するようなモンスターはいなかったようだ。
「まあよかろう、だがそのヴェノミノンで何ができる?私はこれでターンエンドだ」
『幸いというより、マスターのそれは悪運だな。あまりツキのみに頼り切っていると、後で痛い目にあうぞ?』
「うっさいやい。僕のターン、ドロー!」
チャクチャルさん
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ