ターン46 鉄砲水と毒蛇の神域
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いうことだろうか。それはそれで気まずいんだけど。
「内容はまあ、事細かに説明する気はないからね。見たければ勝手に見ていいよ」
ダークシグナーとして契約を結んだ僕だからなのか、それとも地縛神としての多々あるチャクチャルさんの能力の1つなのか。詳しくはわからないけど、チャクチャルさんは僕の記憶を覗くことができる。見られて困るような部分は覗いていない……のではなく、単に見て見ぬふりをしてくれてるだけだろう。
だが、少しの間の後チャクチャルさんはそれを断った。
『いや。まずは話を聞かせてくれ、それからだ』
「あらそう。まあとにかく、その夢の内容、っていうかシチュエーションがどうも、ね。こんなこと言ったら笑うかもしれないけど、ちょうど明日……あ、日付変わってんだから今日か。今日の未来予知みたいな夢だったんだよ」
『別におかしくはないさ、マスター。神も精霊もこの世界には実在する、夢が何か意味を持ったところで驚くようなことではない、そうではないか?』
「ふむ。なるほど、たしかにそれもそうか。それで話を戻すけど、その夢によると僕は今日何らかの形でコブラのところに皆より先にいて、その場で気絶してるらしいんだよね」
『それで、マスターはそれを正夢だと思っているのか?』
「……うん。だからあの夢みたいなことにならないために、今からコブラに奇襲をかける」
呆れてものも言えないのか、それとも何か別のことを考えていたのか。僕の告白を聞いてしばらく沈黙を保っていたチャクチャルさんの気配が、ややあってまた戻ってきた。
『なるほど、マスターの見た夢では遊城十代がコブラを倒していた。その結末を歪めるため、自分が先に乗り込むことでコブラを倒そうと思った……それでいいか?』
「さっすがチャクチャルさん、説明が楽で嬉しいよ。で、どう思う?」
『馬鹿馬鹿しい話だ、不確定要素が多すぎる。私なら決してそんな方法は選ばない』
これでも一応足りてない脳みそであれこれ考えた末の結論だというのに、聞き終わってからコンマ1秒すら開けずに硬い声でばっさり切って捨てるチャクチャルさん。うう、当然とはいえちょっとショック。
『……と、言いたいところだが』
「え?」
ここで急にチャクチャルさんの声の調子が変わる。なぜか、いたずらっぽく笑ってみせるあのシャチの顔が容易に連想できた。
『いい加減に私もこのくだらん小細工には腹が立っていたからな。このような鉄の塊ごときでマスターを縛り付ける?私の時代が過去の栄光なことは私としても重々承知しているが、それを含めてもよくもまあここまで地縛神とダークシグナーを虚仮にできるものだ。マスター、力が欲しければいくらでも協力しよう。どうせやるなら徹底的に、派手に行くぞ!』
「お、おーっ……?」
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