第37話 剣の騎士 対 夜叉の姫君
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男だが、ただの兵士じゃないのは見ただけで分かる。身に纏っている羽織の上からでも分るほどの鍛え上げた筋肉。格闘タイプだからなのか、両腕と手の甲には数え切れない程の無数の傷跡が刻まれていた。それだけではなく彼の眼は鋭く、決意と覚悟が伝わるほどだった。それはまさに“歴戦の勇士”という言葉が浮かぶほどにその大男の様子をクロノが窺うが、先に口を開いたのは敵である闘兵衛だった
「ヌシら…なぜ戦場で武器を振るっとる?」
「え?」
予想外すぎる闘兵衛の発言にクロノを含む4人は戸惑いを隠せなかった。そんな彼らに気にせず闘兵衛は続けた
「見たところヌシら、まだ10歳にも満たない歳じゃろ?そんな子供が戦場にいつまでも居らんで、さっさと家に帰れ!親にいらぬ心配をかけるもんじゃないぞ!!」
それはまるで、大人が迷子を見つけ、優しく言い聞かせる様だった。しかしそんな言葉で立ち去る様な少年少女ではなかった。そして4人の代表としてクロノが叫んだ
「ご忠告に感謝します……だけど、僕だちは危険を承知の上で戦場に立っているんです。いかに年長者の方の言葉でも下がれませんね」
「それは死んでもか?小僧…」
覚悟の有無を問う闘兵衛の言葉にクロノより先に意外とユーノが早く答えた
「死ぬつもりはありません。必ず全員生きて帰るつもりですから!」
「……ほう……?」
ユーノの言葉に偽りは無いと感じたのか闘兵衛は拳を強く握りしめながら構えた
「よかろう。ヌシの言葉に偽りはないと見た。ならばこの闘兵衛……ヌシらの覚悟に敬意を表し、全力で闘ってやろう!!」
「行くぞ!フェイト、アルフ!フェレットもどき!気を引き締めろ!!」
「うん!」
「あいよ!」
「そっちこそ足を引っ張るなよ!真っ黒クロスケ!!」
闘兵衛VSクロノ、ユーノ、フェイト、アルフ
本来の正史では、管理局側の魔導師と闇の書の守護騎士ことヴォルケンリッターの序盤が開始される夜だったのだが、何の因果か二つの勢力の共通の敵が現れたことにより、まだ1組だけだが敵対していた者同士が手を取り合う事が出来たのだ。これが吉と出るか、凶と出るかはまだ分らない。
そして、この戦場の中で最強の分類に入る剣士たちは…
「ヴィータの奴…勝手なことを……」
「そう言ってる割には顔がニヤけてるわよ?剣士さん」
「ム…?これはとんだ失態だな。私としたことが……」
そう言いながら桃色のポニーテールの剣士…シグナムは口元を手で覆いながら口元の歪みを正す。対する黒いセミロングの剣士…リオンは両手に持つ双剣のひとつ
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