第十六話:崩れ落ち行く鉄城で
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よりも高みから、彼は未だ私を見つめ続けている。その彼の両手に握られた物を見て、私は、目を見開いた。
捩れた真紅の大剣。
誇り高き魂を持っていた我が妹、いや、神の盾の『ネロ』が愛用していた剣。
原初の炎。全ての生命の礎となる炎の原点を象った情熱の剣。
その剣で、終わらせようというのか。
その剣で、終わらせてくれるのか。
「茅場ァ!」
フ、そんなに叫ばずとも聞こえているとも。ああ。私は、その刃を受け入れよう。
腹部に衝撃、鈍い痛みが突き抜ける。その鈍痛が、どうしようもなく愛しく思えた。
ああ、意識が霞む。いいや、まだだ。まだ、私には一つだけやり残したことがある。
?????君に、一つ聞きたかった。
「……なんだ?」
?????君は、後悔しているか?
ずっと抱いていた疑問。
今のこの境地に至るまで、私は後悔の連続だった。故に問わずにはいられない。私の憧れた英雄は、真に私の手の届かない処にいるのかと。
「オレは??????????????
??????????????????????
??????????????????????
??????????????????????
????????????????」
ああ、そうか。
そうだったな。
君は、そういう人間だ。だからこそ茜が、そして私が彼に惹かれたのだ。ああ、やはり私などでは英雄には至れぬらしい。
やっと、答えを見つけた。
それは残酷な程に理不尽な答えであったが、私はそれに満足した。
君に感謝を。
君が、茜の最期を看取ってくれて良かった。
そして最後に断言と共にこれを贈ろう。
『君は、必ずこの世界に戻ってくる』と。そして、また会おうと。
「では、さらばだ」
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† †
君に感謝を。
よく、我が兄を止めてくれました。信じていた、なんて無責任なことを言うつもりはありませんが、それでも私は君が負けるとは思っていなかった
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