27部分:第二十七章
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第二十七章
「ここも中々よいものじゃ」
「この爺生きてやがったのか!」
「死んだんじゃなかったのかよ!」
その人相の悪い男達は博士を見て叫ぶ。
「何でここにいるんだよ!」
「五月蝿いから消えるのじゃ」
やはり素っ気無く恐ろしいことを言う博士だった。
「さらばじゃ」
「あぐげあぐかながいああまおにかーーーーーーーっ!!」
「すばーばっく!!」
博士の鞭から放たれる一兆ボルトの高圧電流の前に彼等は一人残らず消し炭になってしまった。しかし勿論博士にとってそんなことは小石をどけたものでしかない。
彼等を全員地獄に送ってからであった。そのうえで周囲を見回すと偶然彼等がいた。
「ああ、博士ここにいたんですか」
「運よく出会えたよな」
「そうだね」
小田切君だけでなくライゾウとタロもいた。彼等もこの時代に来ていたのだ。
「まさかこんなにすぐ出会えるなんてな」
「こっちの世界に来てすぐだからね」
「たまたまこの世界にしたんですよ」
小田切君はこう博士に説明するのだった。
「そうしたら博士がいたんですから」
「人には縁というものがあるのじゃよ」
博士はその小田切君の言葉に応えて述べた。
「じゃからな。こうして出会うのも当然じゃ」
「縁ですか」
「うむ。縁がなければ会うこともない」
博士はまた縁というものについて話した。
「そういうものじゃからな」
「じゃあおいら達博士と縁があるんだな」
「そうなるよね」
ライゾウもタロもその結論に達しざるを得なかった。
「だとするとな」
「やっぱりどんな時代に行っても博士と一緒になるのかな」
「そうじゃな。一緒になる」
博士は彼等に対しても答えるのだった。
「縁があればな」
「まあ出会えてよかったですよ」
小田切君はとりあえずはそれはいいとした。
しかしだった。今しがた博士が消し炭にしたその不逞な者達の躯を見て。怪訝な顔で尋ねるのだった。当然彼等はもう全員事切れていた。
「この連中は一体」
「ふむ、この連中はな」
今しがたその電気鞭で一蹴した躯達を見ての言葉だ。躯達は風がひゅーーーーーーっと吹くとそれだけで消え失せてしまった。後には何も残らなかった。
「終戦直後に暴れていた三国人共じゃ」
「三国人ですか」
「そうじゃ。知っておるか?」
こう小田切君に対して尋ねるのだった。
「三国人のことは」
「何か終戦直後に暴れていた連中ですよね」
小田切君は博士に応えて述べた。
「戦前、戦中日本だった領土の人達が独立してそう呼ばれるようになったとか」
「何か微妙な呼び方だよな」
「そうだね」
ライゾウとタロは二人の話を聞いてまた彼等で話をした。
「何でそんな呼び方をしたんだ?」
「その辺りが気になるけれど」
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