26部分:第二十六章
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第二十六章
「何万人も一度にね」
「やっぱり無茶苦茶だよな」
「だよね」
彼等はそこまで聞いてまた言うのであった。
「そこまでするってさ」
「博士しかいないけれどね。そんな人は」
「とにかく。大変なことになるよ」
小田切君はその二人の対決を見続けていた。氷と炎の対決を。
白と白がぶつかり合う。すると忽ち凄まじい轟音と衝撃が発生した。
衝撃は幸い上に向かった。しかし火の鳥は全く動じていない。
しかしその轟音は特別だった。雷なぞ想像もできない音が場を支配した。
「何なんだ。この音は」
「五月蝿いなんてものじゃないぞ」
ローマ市民達はまた唖然とした声をあげる。だがその轟音はその声もかき消してしまう程凄まじく彼等の聴覚をも破壊しかねない程度だった。
小田切君達も耳栓をして黙って闘いを見守っている。だがその氷と炎の激突も終わり残っていたのは生憎と片方だけではなかった。
どちらも生き残っていた。そのまま宙に浮かび続けている。まるで何もなかったかのように。平然とそこに生き続けているのであった。
「やっぱりしぶといな」
「死ぬとは思っていなかったけれどね」
ライゾウもタロもかなり残念そうであった。
「まあとにかく。コロシアムは無事だったな」
「巻き込まれた人もいなかったしね」
とりあえずそれには安堵した。しかしそれだけではなく博士もヒデヨシも。ここで誰もが想像もできないことをやりだすのであった。
「どうやらここでも決着はつきそうにないのう」
「そうじゃな」
勝手に自分達で納得してしまうのだった。
「では場所を変えるぞ」
「よし、それではじゃ」
こうして彼等は時代も場所も変えることにした。彼等はそのまま時空を超えにかかるのだった。最早常識というものを完全に無視してしまっていた。
「次の時代でこそじゃ」
「決着をつけようぞ」
そして実際に何処かに消えてしまった。後には何も残ってはいなかった。しかもローマ市民達も完全に取り残されてしまっていた。
「何だったんだ今のは」
「さあ」
「何かとんでもないのを見たけれどな」
「化け物だったのか?やっぱり」
彼等には理解できないものではあった。しかしそれが消えるともう現実に戻っていた。ローマ市民達もかなり強いものがある。
「では次はだ」
「はい」
またその月桂冠を頭に飾り緋色の衣を着た男が周りの者に命じていた。
「とりあえず歌手に歌わせろ」
「わかりました」
こうして歌手が呼ばれて歌う。小田切君達もとりあえずタイムスリップをしてローマを後にした。そうして次にやって来た時代は。
粗末なバラックの店が立ち並ぶ。そこにはこれまた粗末な身なりの人々が行き来している。そうして何か残飯のようなものを食べていた。
「おら、どけ!
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