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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第52話 授業が眠たいのは万国共通
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眠い…………、オヤスミ。始まる1分前に起こして………」
「って、えええ! 今の、スルーなの? 今の、ダメなの?」

 まさかの華麗なるスルーに、度肝抜かれた月音。自分としては、清々しいまでのカウンターを当てられた。会心の出来、とまで思っていたのに、完全に外れていた、と驚いていた様だ。

「………オレは、聞いてやらん事はない、とは言ったが、それに応える、と言ってないぞ? ……つくね」
「ええっ、へ、屁理屈だしっ! そんな、ひどいや!」

 抗議する月音。だが、カイトも折れる事はない。

「これもつくねを思っての事だ」
「嘘だ!! 絶対、楽しんでるって! そんな気配がバリバリするし!」
「……いや、嘘じゃないぞ! (……多分な)」
「多分って何! 聞こえる様にわざと言わないでよー!」
「ん。以上を持って、コント終了だ」
「いやいや! 別にコントじゃないから! 頼むよー。 このままじゃオレ、やばいんだって…」

 懇願する月音。
 スルーし続けたカイトだったが(後半は、月音が言う様に完全に楽しんでた)、流石にかわいそうになってきた為、ゆっくりと身体を起こした。

「………やれやれ。つくね。別にオレじゃなくても良いんじゃないか? ほれ、モカに教わればどうだ? 話するチャンスだし、何より、オレよりきっと頭いいと思うぞ?』

 そう促してやった。
 月音のモカへの想いに関してはよく判るし、何よりも反応(リアクション)が面白いから、一石二鳥だ。月音にとっても、悪い事ではない、と思っていたのだが、月音は首を軽く横に振る。

「………もちろん、さ。それも考えたけど…… でも、いきなり勉強教えてっていうのも……」

 月音は、それ以上は言わず、俯いていた。
 大体の月音の気持ちは、ここで判明。

「成る程ね。ま、カッコ悪い、って思うはな。 ふぅ……、仕様がない。多少なら手伝ってやるよ。それで、どこが分からないんだ?」
「あ、ありがとっ! えっとね…、三角比の定義についてなんだけど……」

 月音が、先程の授業で控えていたノートを取りに行ったその時だ。


「カイト君っっ!!」
「ちょっとさっきの授業で…」
「数学なんだけど…」
「ちょっといいっっ!?」
「好きな人、いるっっ!?!?」


 あっという間に他の生徒に囲まれた。女子生徒たちに。

「………へ??」

 先程まで、月音と話していた筈なのに、突然変わったから、こればかりは想定外で戸惑っていると。


「ちょっと! 私が最初に話しかけたんだから、遠慮しなさいよ!」
「何よ! わたしの方が早かったし!!」
「ああもう!! うるさーいっ!!」


 あれよあれよ、と言う間に、こんどは女子同士の喧嘩が始まった。


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