暁 〜小説投稿サイト〜
ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第二十四話「目覚めよ、秘められし力(後半)」
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の先に隔離しておる魔物ももしやしたら手遅れかも知れぬ」

そして通路の際奥にある扉を開くと其処には牢の中から鋭い視線を放つ小型のドラゴン族《ドラゴンキッズ》が此方を威嚇していた。

「どうじゃ?黒い濁りは見えるかの」
「…はい、あの魔物の体に纏わり付く様な感じで見えます」
「ならば、あ奴の体では無くその濁りを攻撃するんじゃ。濁りを消し去る事が出来れば浄化は成功する筈じゃ」

爺さんは銅の剣を渡し、リュカは頷きながらそれを受け取る。

「すまんな。ワシは戦いには疎いのでこんな物しか無いんじゃ」
「いや、かえって丁度良いですよ」

あまり強い武器だと加減が難しいと言う事なのだろう、銅の剣を掴むと牢に近づいて行き、開かれるとドラゴンキッズは脇目も振らずに襲い掛かって行く。

『ガアァァーーーーッ!』
「おっと、そこだ!」
『グアァッ!』

初撃をかわすとリュカは剣を振り下ろし背中から切り付けるとその体には僅かな傷しか付いてはいなかったがタダオの顔には笑みが浮かんでいた。
どうやら、濁りを削り落とす事に成功したらしい。

「どうじゃ?」
「はい、僅かにですが黒い濁りが減っている。この調子ならあと数撃で浄化出来そうですね」
『シャアァーーーー!』
「良し、来い!その濁りを削り取ってやる」

リュカに飛び掛るドラゴンキッズ、その攻撃を危なげなくかわし、逆に切り付けて行くと徐々にその動きは鈍くなって行く。
傷自体は付いては行くが攻撃の割にはそれほど酷い傷では無い、恐らく体に纏わり付く濁りが逆に攻撃の威力を引き受ける鎧になっている様だ。

「ク、クオォ〜〜ン」

ドラゴンキッズの動きが止まったかと思うと、まるで助けを求めるかの様に弱々しく吼える。

「我慢しろよ、今助けてやるからな」

リュカはドラゴンキッズの頬を撫でてやりながら最後の一閃を繰り出すと、その体から黒い靄の様な物が吹き出たかと思うと赤い瞳は青く変わった。

「やった…のかリュカ?」
「お、おお、おおぉ〜〜。み、見事、見事じゃ。まさしくあの時と同じ、魔物の心をも癒す浄化の力。マーサ様と同じ力じゃ」

浄化されたドラゴンキッズはゆっくりとリュカに近づき、その足に頬を摺り寄せ、リュカもそんな彼を抱きかかえる。
感極まったのか、爺さんは大粒の涙を流しながらその光景に見入っていた。
リュカはリュカで浄化したドラゴンキッズを抱きながら自分の手を見つめていた。

「クオン、クオン」
「さっきまで強暴だった魔物をこんなにも大人しくさせるとはな。まったく、大した奴だよお前は」
「自分でも驚いているよ、俺にこんな力があるなんて」
「さてと、まずは名付けじゃ。そ奴に名前を付けてやるんじゃ」
「名付け?」
「ただ、浄化しただけでは何れ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ