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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第二十四話「目覚めよ、秘められし力(後半)」
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オラクルベリーの街で大人しくなった魔物達と暮らしているモンスター爺さん。
彼がかつて魔物の邪気を抑える術を学んだという人物、彼は名の人の名をこう呼んだ。

《マーサ》と……


「マ、マーサ…。その人の名はマーサと言ったのか!?」
「あ、ああ、そうじゃがお主はマーサ様を知って居るのか?」
「…死んだ親父から聞いたんだ。俺の母親の名前はマーサだと、世界の何処かで生きている母、マーサを探し出してくれと」
「何じゃと!どう言う事なんじゃ、詳しく聞かせてくれい!」

慌てふためいて聞いて来る爺さんにリュカはこれまでの事を説明していく。
幼い頃から父と一緒に母の手掛かりを探して旅をしていた事、父の最期の願いが母を探し出して欲しいと言う事を。

「な、何と…マーサ様が行方知れずとは、そんな事があったのか」

説明が終わると爺さんは頭を抱え込みながら椅子に腰掛ける。
孫ほどの年の差があるとしても、マーサは敬愛すべき師であるのだからその落胆は如何程(いかほど)の物であろうか。

「親父は俺に余計な心配をかけさせまいとしたんだろうな、幼い頃は母さんは居ないと教えられて来た。だからこそ、今わの際に母さんの事を俺に託したんだ」
「リュカだけじゃない、血の繋がりは無いがパパスさんは俺をもう一人の息子と呼んでくれた。託されたのは俺も同じだ」
「ヘンリー…、有難う」

そんな二人を見た爺さんは俯いていた顔を上げ、リュカに語り掛ける。

「ならばワシも力を貸そう。マーサ様のお子と言うのならお主にもマーサ様と同じ力がある筈じゃ。魔物達を支配する魔王の波動を打ち消す力が」
「魔王の波動を打ち消す力…。俺にそんな力が」
「なればこそ、魔王の波動に染まっていなかったとは言え魔物達と心を通わす事が出来たのじゃ」

そう言いながら爺さんは壁にあるスイッチを動かすと隠し扉が開き、その中へと進んで行くのでリュカ達もその後へと続く。

「何処へ行くんだ?」
「この先には魔王の波動に染まり、凶暴化した魔物が居る。闘技場から逃げ出したんじゃろう傷だらけじゃったのでな、ワシが治療をしてやったんじゃが暴れるばかりでちっとも懐いてくれんのじゃよ。じゃが、お主ならば浄化出来る筈じゃ、マーサ様の血を受け継ぐと言うのが真ならばな」
「でも、どうやれば良いんですか?俺には解りませんよ」
「マーサ様が仰るには魔物と重なっている黒い濁りを切り裂く感じじゃと言う事じゃ。残念ながらワシにはその濁りが見えなかったからそれを成す事は出来なんだがな」
「なら、リュカがその濁りとやらを切る事が出来れば全ての魔物を魔王の波動とやらから開放出来るって事か」
「生憎じゃがそう上手くはいかんじゃろうな。マーサ様のお力でも全ての魔物を救う事は出来ぬと嘆いて居られたからの。こ
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