第二百五十一話 周防の戦その十
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「この度の攻めは」
「そうじゃ」
まさにという返事だった。
「わかったな」
「では」
「その様に」
その信広と信行が応えてだった、そのうえで。
天下の軍勢は実際にだった、鉄砲を使ってだった。
囲んだ魔界衆の軍勢を攻めていた、その三段の撃ちはこの場でも強く魔界衆の者達を次から次にと倒していた。
その倒れる敵を見てだ、謙信は言った。
「このままです」
「はい、攻めていきますな」
「鉄砲で」
「そうしていって」
「数を減らしていきますな」
「そうです」
二十五将達に言うのだった。
「突っこむことはしません」
「上様のお言葉通り」
「このまま」
「そうです、攻める時ですが」
それでもと言う謙信だった。
「こうした攻め方もあります」
「ただ騎馬で突っ込むのではなく」
「こうしてですね」
「鉄砲で攻める」
「こうしたやり方もありますね」
「そうです、次々に撃ちつつ」
横一列に並べたその鉄砲隊でだ。
「距離を狭め」
「そしてですな」
「さらにですな」
「間合いを詰めれば」
「そうです、相手がこれ以上ないまでに弱まった時に」
まさにだ、その時にというのだ。
「上様は突撃を言われるでしょう」
「わかりました」
「はい、それでは」
「その時ですな」
「一気に攻める」
「そして決着をつけますか」
「魔界衆はです」
その彼等はというと。
「この戦で滅びます、必ず」
「上様が言われていますが」
「例え海に出ても」
「それでもですな」
「魔界衆は滅びますな」
「完全に」
「そうなります、所詮は闇で蠢くだけの者達です」
そうだからこそというのだ。
「正道ではありません」
「だからですか」
「ここで、ですか」
「魔界衆は滅びる」
「そうなりますか」
「そうです、天命は決しています」
こうも言った謙信だった。
「織田家の世になりそして」
「魔界衆は滅び」
「後は天下泰平ですな」
「長きに渡って」
「そうなりますな」
「そうです、では攻めましょう」
こう言ってだ、そしてだった。
上杉家も攻めた、彼等もまた今は鉄砲で派手に攻めていた。天下の軍勢は他にも次々に攻めてだった。
魔界衆を寄せつけない、それでだった。
魔界衆の面々はだ、何とか反撃をしようとしてもだった。
彼等は鉄砲隊に撃たれ攻めようとしても弓矢と槍に阻まれてだった。
攻められず撃たれ続けてだ、次第にだった。
数を減らしその包囲の輪を狭められていた。それでだった。
老人は自身の周りにいる棟梁達にだ、こう問うた。
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