21部分:第二十一章
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第二十一章
「あれは白い。火の鳥ではないぞ」
「しかしこの熱さは何だ?しかも」
彼等はその鳥を見て話していく。
「あの鳥は。燃えていないか?」
「燃えているのか?」
「ああ、燃えているぞ」
こう言い合うのだった。
「明らかにな」
「馬鹿な、白い炎だと?そんなものがあるのか」
「ああ、そうだったね」
ここでまた小田切君は気付いて言うのだった。
「この時代の人達は白い炎は知らないからね」
「確か一番高温だったよな」
「そうだったよね、白い炎が」
「そうなんだ。そんなのこの時代は出せないからね」
小田切君はライゾウとタロにこのことを話すのだった。
「だから白い炎を見てもわからないんだよ」
「それでか」
「皆こんなに驚いてるのは」
「そういうことだよ。青い炎なんてのも知らないだろうね」
「青い炎?」
それを聞いたローマ市民達は怪訝な顔になった。
「何だそりゃ」
「さっきも白い炎って言ってたけれどな」
小田切君の話を聞いてもやはり首を傾げていた。
「火は赤いに決まってるよな」
「何でそんなものがあるなんて言えるんだ?」
「やっぱりわかってないよな」
「小田切君の予想通りだね」
ライゾウとタロはローマ市民達の話を聞いてまた小田切君に言った。
「わかってないよ、本当にさ」
「炎が青かったり白かったりするのが」
「光の三原色でもあるんだけれどね」
赤、青、白である。この三色がそのまま光の色になっているのだ。普通の三原色は赤、青。黄色だが光では黄色のかわりに白なのである。
「それもこの当時はっきりわかっていたのかなあ」
「そう思うと色々なものがわかるのって随分後なんだな」
「そうだったんだね」
ライゾウとタロはこのことを知るのだった。小田切君の話から。
「成程なあ、今回は色々と勉強になるな」
「そうだね」
そしてやや呑気にこんな話をする。しかし博士とヒデヨシの対決は最早呑気などと言えるような生易しい状況ではなくなってしまっていた。
「どうじゃ。この白い火の鳥は!」
その上空を舞う火の鳥を指し示しながら誇らしげに笑うヒデヨシだった。
「流石の御主といえども防ぐことはできまい。どうじゃ?」
「ふふふ、そう思うか」
しかしであった。博士はそのヒデヨシの言葉に対して極めて不敵な笑みを浮かべてそのうえで対峙するのだった。やはり余裕の顔であった。
「わしが白い炎を防げないと。そう思っておるのだな」
「違うのか?」
「わしの辞書に不可能という文字はない」
ナポレオンそのままの言葉だった。
「それを言っておこう」
「不可能はないとな」
「左様じゃ」
そしてまた誇らしげな言葉を出す。
「では見せようぞ」
「なっ、今度はこれか!」
「また滅茶苦茶じゃ
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