20部分:第二十章
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第二十章
「このままじゃ危ないっていうのによ」
「どうしてなんだろう」
「いや、博士には博士の考えがあるんだ」
だがここで小田切君は彼等に話したのだった。
「ここは絶対にね」
「あるのかよ」
「じゃあ一体何を?」
「あの稲妻を見るんだ」
博士が身に纏っているその稲妻をということだった。
「あれをね」
「あれで炎を防ぐっていうのかよ」
「それじゃあ」
「その通り。博士はそのつもりだね」
既に見抜いている小田切君なのだった。
「どうやらね」
「そうか。また随分と無茶をやるんだな」
「いや、博士だったら普通かな」
彼等は小田切君の話を聞いてまた言う。
「そうか?まあ博士だからなあ」
「それ位はね。もうね」
「そういうこと。あの博士だからそれ位は普通だよ」
これは博士を知っている小田切君だからこその言葉だった。しかし博士のことなぞ全く知らないローマ市民達はどんな反応をするかというと。
「これであの変態爺が死ぬんだな」
「ああ、間違いない」
とりあえず一方が死んでくれることを期待しているのだった。やはり博士の常識を一切無視したとてつもない生命力のことも知らなかった。何しろ二百億歳だ。
「それであとの一方はあの猿だよな」
「だよな。とりあえず片方が消えてくれればそれでいい」
「生憎じゃがな」
博士はそのローマ市民達の声は聞いているのだった。
「わしはそう簡単にやられる趣味はないぞ」
「いや、やられてくれ」
「是非な」
これがローマ市民達の博士への素直な言葉だった。
「とりあえずあんたは絶対にやばいだろ」
「もう性格がわかったからな」
「わしの如き素晴らしき人格の持ち主を捕まえてそう言うというのか」
博士は彼等の言葉には実に不快そうな言葉で返すのだった。
「残念じゃ。ローマの者達はわかっておらんのう」
「まあ趣味が兵器開発に生物兵器開発に人体実験に解剖に破壊活動じゃなあ」
「絶対にまともじゃないよな」
またしてもライゾウとタロがここで言うのだった。
「そんな人間何処にいるんだよ」
「完全にマッドサイエンティストじゃない」
「さて、それでは博士よ」
炎達を操るヒデヨシがまた博士に対して言ってきた。
「受けよ。そして消し炭になり消え去るのだ!」
「ちょこざいわ!」
一斉に襲い掛かる火の球達に対してここで。その稲妻達を放った。稲妻達は忽ち蛇のように凄まじい独特の動きで火の球達に襲い掛かったのだった。
炎と雷が激突する。コロシアムはそれにより紅と緑の光が激しく交差することになった。
両者は互いに恐ろしい轟音を轟かせそのうえで散っていく。そして後に残ったのは対峙する博士とヒデヨシ、彼等だけなのであった。
「すげえな」
「ああ」
「こんなのはじ
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