SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第16話?風と光の剣戟
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「……っ!」
?今まで懸念していたことを看破され、仮想の心臓が跳ねる。
?そう。僕はすでにネタバラシを、弱点を見せてからこのデュエルに挑んでいる。事前に閃光に自分の弱さを見せているのだ。
?ソードスキルが使えないというのは、自分で言うのもなんだが致命的だ。決定打が与えられないで、どうやって勝てるというのか。もちろん、ひとつも使えない訳じゃない。閃光も言った通り、今の僕が使えるソードスキルは五つ。しかも、その内ひとつはもう晒してしまっている。カタナのソードスキルを閃光が知らないと仮定して、不意をつけれるのはあと四回……。
?そんな僕とは対照的に、閃光は第一層から細剣を使っている。攻略組の中でも使えるソードスキルは多い方のはずだ。僕の倍以上の数習得しているだろう。
?つまり、だ。僕が今まで負けずに頑張れたのは、閃光がソードスキルを使ってこなかったからに他ならない。きっと開始早々に使われていたら、一瞬で僕のHPゲージは有無を言わさず削れていたはずだ。
?勝つためには、閃光のソードスキルを対処しながら、確実な一撃をいれる必要がある。一見、無理そうに見える課題だ。
?だが――
「これで、終わらせます!」
?閃光が鋭い声を出して、細剣を水色の輝きを灯す。閃光が体ごと、文字通り閃光になったような電光石火。かろうじて視認できた。
?――だが、一つだけ攻略法がある。
?僕にソードスキルが五つしか使えないように、閃光にも弱点がある。
?それは、彼女が疲弊しきっているということだ。さっきまでの剣戟で彼女の攻撃速度が速いのは、理解した。だが、それも常にではない――いや、普段ならば常になのだろう。しかし、睡眠不足な上に疲労している今の閃光は、たまにだが、剣の速度が低下するのだ。それは先程までの戦闘で証明されている。
?もしかすると、ソードスキルを使っているときにも疲れが表に出る可能性がある。というより、その可能性は高い。攻略組のソードスキルは、自分の力を軌道に上乗せして使うのが主なため、通常のソードスキルよりも集中力、精神力が必要となる。だから、今の閃光には、かなり難しいはずだ。
?もちろん、閃光がブーストしないという可能性がない訳じゃない。だが、自分の経験談から察するに、もう半年もやっていると無意識にブーストをかけてしまう癖がついてしまっている。きっと閃光も同じだ。
?僕は、もう一度カタナを腰だめに持って構える。だが、ソードスキルが発動しないように、少しだけずらした位置に構える。
?僕の構えを見て、閃光がわずかに訝しげな表情をしながらも、突っ込んでくる。が、頭のいい彼女は念のためと軌道をずらそうとしたのだろう。――それこそがこの決闘における閃光の最大のミスだった。
?僕の目の前で、ソードスキルの輝きが霧散していく。驚愕に染まった顔の閃光が体を投げ
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