第2章:埋もれし過去の産物
第42話「託された想い、砕ける闇」
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の言葉を理解してそう言う優輝。
「...それに、天巫女の加護はユーリに託します。...もう、二度とユーリが苦しまないためにも。」
「その結果、自身が犠牲なろうとも?」
自身を犠牲にしようとしているサーラに優輝は問う。
「...私は既に死んだ身です。...想いを託し、誓いを果たせた。それだけで、十分です。」
「っ...残された彼女はどうするんだ!?」
つい、自身の境遇と重ねてしまい、優輝はサーラに怒鳴る。
「.....ユーリには、新たな騎士がいますから...。」
優輝はハッとしてディアーチェ達を見る。
...そのディアーチェ達は、ただただサーラの言葉を受け入れていた。
「貴様の想いは分かる。...だが、貴様の代わりはおらぬぞ?」
「分かっています。...ですが...。」
光の粒子が増える。...時間も迫っているらしい。
「時間もありません。...打つ手は...ないんです。」
「っ.....。」
“打つ手がない”...その言葉を優輝は受け入れたくなかった。
緋雪の時と同じ結末を、生み出すとしか思えなかったから。
...しかし、受け入れるしかなかった。
「...ユーリに加護を託します。....我が身に宿る加護を...“譲渡”。」
サーラが光に包まれ、その光がユーリへと移る。
天巫女の加護がサーラからユーリへと移ったのだ。
...それと同時に、光の粒子がさらに増える。
「....貴方に、言伝を頼んでいいですか?」
「っ....なんだ?」
もう数分も持たない。それを理解していた優輝は言葉を詰まらせながらも聞き返した。
「“立ち止まらないでください。私は...貴女の騎士は必ず貴女の下へ戻る”...と。」
「っ.......。」
優輝はそう言うサーラを見て、緋雪とのやり取りと重ねてしまう。
「....分かった。」
だからこそ、まだ会える可能性を秘めている彼女の言葉を必ず伝えようと、優輝は力強く了承した。
「....では、新たなユーリの騎士達といずこの王よ....。」
「...ムート・メークリヒカイト。...今は志導優輝だ。」
溢れると言わんばかりの量の光の粒子がサーラから出てくる。
そんなサーラに、改めて名前を伝える優輝。
その様子に、ディアーチェもシュテルとレヴィに目配せをする。
「シュテル・ザ・デストラクターです。」
「レヴィ・ザ・スラッシャーだよ。」
「ロード・ディアーチェぞ。....後の事はしばし、我ら紫天の書のマテリアルに任せるがよい。...立派な盟主に仕立て上げて見せようぞ。」
落ち着いた
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