第2章:埋もれし過去の産物
第42話「託された想い、砕ける闇」
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大きな魔力の球となって、ユーリの頭上で蠢いていた。
まさに無限の魔力がないとできないような魔力。
全てを闇に呑み込み、絶望へと誘う凶悪な魔法。
...それに、僕はシャルを向けた。
「託された想いを...今、この手に!!」
「っぁあああああああ!!!」
ユーリの魔法がこちらに向かうと同時に、僕も魔力をシャルに集束し終える。
そしてそれを....解き放つ!!
―――“黒き太陽、絶望の闇”
―――“託された緋き雪の想い”
「っぐぅうううう.....!!?」
膨大...いや、今向かい合ってる魔法でさえ無限の魔力と思えてくるほどだった。
それを、僕はなんとかサーラを庇うように拮抗させていた。
「....負.....け..る、か...よ....!」
掻き消えそうな声を絞り出し、負けそうになる体を支える。
「シュネーが...緋雪が...!僕なんかのために託してくれた想いなんだ...!」
完全に押されていた状態から、再び拮抗させる。
周りの音も視界も気配でさえ、魔力の暴風で掻き消えても、僕は負ける訳にはいかない。
「負けて...たまるかぁあああああああああああああああああああ!!!!」
想いを強く、貫く!!
シャルから放出された魔力は、ユーリの魔法を貫き、霧散させた。
...だが、結果として大気中の魔力濃度が高くなり、僕は堕ちる。
「(でも...それでいいんだよ...!)」
崩れ落ちる僕の視界に、再び赤黒い魔力を集めるユーリが映る。
...ったく、本当、無尽蔵な魔力だな....!
...だけどな...!
―――...お前の騎士の“忠義”は、それを討ち破るぞ?
=サーラside=
「...今こそ、助けます...!ユーリ!」
彼が作ってくれた時間。それを利用して、私は魔力をアロンダイトに集束させた。
...いや、私の魔力だけではない、先程の大魔法の残滓である魔力も集束させる。
「っ...ぁああ...!ぁああああああああ!!」
「......!」
ユーリは苦しそうに唸りながらも、再び魔力を集束し始めた。
先程とは違い、正面に集束させている。
「(これは...集束砲撃...!)」
見覚えがあった。...そう、生前での戦いだ。
あの時、私はこの魔法で死に追いやられた。
...尤も、相打ち覚悟でそ
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