第十五話:罪纏う神裁の剣
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いたチート級の化け物が、たった一人によって撃滅された。
なんという、規格外の人間なのか。彼の持つ『無限剣』も使いこなせば十分異常なスキルだ。だが、このスキルが付与されるプレイヤーは、『この世界で最も重い通信障害を負っている』プレイヤーのはず。
つまり、茅場の想定では、無限剣を所持するプレイヤーは決して最前線で暴れる攻略組ではなく、中層や下層で生活する人間達が無意味に使い潰すものだった。
確かに、彼の通信障害は酷いものだった。脳とナーヴギアの接続不良によるペインアブゾーバの機能不全、それによって引き起こされる強制シャットダウン未遂。
だがそれら全てを乗り越えて、彼は遂に神すらも打ち破ってしまった。
正直に言って、想定外。だが、望外の喜びでもあった。
そう、あらゆるハンデを乗り越えて、彼は真の英雄となった。茅場の望んだ通りに。
?????素晴らしい。
讃えよう。賞賛しよう。
新たな英雄に栄光を。新たな神話の創造に、万雷の喝采を。
「まだ、終わってない!!」
その余韻を切り裂くように、黒の剣士の声が響いた。
そうだ。まだ、終わっていない。まだ、終わらせたくない。
「うおおお!!」
キリトの剣は先程よりも鋭くなっている。最早、茅場に最初の頃の余裕はない。
「はああ!」
それに加えて、絶妙なタイミングでアスナの援護が殺到する。裁ききれない刺突が、純白の鎧を撃ち欠いていく。
正に阿吽の呼吸。互いが互いの足りない部分を補い合い、茅場に反撃の隙を与えない。
それでも、黒の剣士と閃光の二人がかりの攻撃を辛うじてとはいえ防いでいる茅場の技量も凄まじいものである。
だが攻めに転じることはできない。僅かにだが、確実に減り続ける命の残量に、茅場は賭けに出ることにした。
「この世界、終わらせるにはまだ惜しいのだッ!」
キリトの剣が下段から振り上げられる。アスナの迎撃に回していた盾は間に合わない。ならば。
?????時を盗む。
茅場にのみ許された、システムのオーバーアシスト。世界でただ一人加速した茅場の盾が、キリトの剣の射線上に現れる。
?????時が戻る
「っ、うおおお!」
尋常ではないスピードで戻ってきた盾に瞠目しつつ、その剣を力尽くで振り抜く。だが、その鉄壁を突き崩すことはできず。ただ甲高い金属音を響かせただけだった。
再び、今度は背後にいるアスナからの攻撃を防ごうと、時を盗み?????
「なに…?」
背後にアスナの姿がない。
一体、どこに?????!?
「上よ」
頭上から、青い輝きが降り注ぐ。今のアスナに放てる最速の刺突。だが再び時を盗んだ茅場の盾が迎撃
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