第十五話:罪纏う神裁の剣
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度、先程の倍以上もの力が加わった斬撃がエスピアツィオーネを滑り火花が散る。
受け流された大刀はその勢いのまま床を粉砕した。もしこれを喰らったら一溜まりもないが、そんな『たられば』の話をしてもどうにもならない。今は躱すことができたのだから、それでいい。
そして。
「足元がお留守だな…!」
再び光の剣を撃ち放つ。渾身の斬撃を受け流されたことで身動きの取れない禍ツ神の足甲を切り裂く。
そのすぐ下を、黒と白の色彩が駆け抜けて行った。
「頼んだぜ、キリト、アスナ……!」
役目は果たした。
後は、生き残ることのみ。
† †
「茅場ぁぁぁぁッ!」
黒衣の少年が吼える。親友が切り拓いた道を駆け抜け、遂に辿り着いたのだ。この悲劇の根源、ソードアート・オンラインの創始者、茅場晶彦の下に。
黒と白の剣が疾る。有無を言わせぬ斬撃、恐らくはこの世界で最も速く、重い一撃が茅場目掛けて振り下ろされる。
「ようこそ、キリト君」
だが、その程度で斃せる敵である筈もない。
薄い笑みと共に掲げられた純白の盾が、至高の一撃を完全に防いでみせた。
「そして、アスナ君」
「ッ!」
正に不意打ちであった筈の側面からの刺突をあっさりと片手剣で防がれ、アスナが驚愕に目を剥く。
「いやはや、全くもって彼には畏れ入る。よもや、アレを一人で抑え込んでしまうとは。確かにHPは減らしたが、その他の筋力やらは元の数値のままなんだがね」
「そんな雑談を聞いている暇はありません。団長、貴方は私達が倒します」
今の二人に時間はない。急がなければ、一人であの怪物の相手をしているレンが死んでしまう。それだけは、決して認められることではないのだ。
「ああ、いいだろう。君達も私の下へ辿り着いた紛れもない勇者だ。さあ、来るがいい。君達が積み上げてきたその全てを以って、私を打ち倒してみせてくれ!」
「言われずとも、そうするッ!」
黒白の剣が神速となって茅場を襲う。それを純白の盾で叩き落とし、キリトの背後から突き込まれるレイピアの刺突を躱す。
盾と同色の剣が、真紅の光を宿す。
「アスナ!」
「うん!」
茅場の所有する神聖剣というソードスキルはほぼノーデータだ。分かっているのは唯一、レンに防がれた単発垂直斬りのみ。
だが。
「二人なら…!」
細剣、ランベントライトに青い輝きが灯りアスナの右腕が撓る。
紅と碧が激突する。筋力では茅場がアスナを上回る。だが剣技の正確さで言えば、アスナが茅場を超える。
故に、少しの角度をつけて差し込まれた青き細剣は、茅場の剣を軌道を完全に逸らした。
「キ
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