第21話 木山の過去
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て機械的に呼吸をし、グッタリとベッドの上で横になっている。
頭付近の枕には真っ赤な鮮血に彩られ、治療室へ運び込まれていく。
水を掛ける悪戯をした生徒
自分と付き合うと言った生徒
誕生日にクラッカーを鳴らした生徒
花束をくれた生徒
ブカブカの白衣を着て、廊下を走る生徒
雪玉を投げた生徒
似顔絵を描いてくれた生徒
そして、部屋に上がって「この街の役に立ちたい」と嬉しそうに語った生徒......
全てが壊れていく
崩れていく
動かなくなった生徒に木山は己の無力を嘆いた。
学園都市のお荷物である『置き去り(チャイルドエラー)』が科学の発展に貢献したんだ
いい事じゃないか
学園都市に育てられている恩を返して貰っただけだよ
あの子達だって望んでいた......
写輪眼で覘いていたサソリの顔に驚愕の表情が浮かんだ。
断片的だった情報が木山の脳を観ることで繋がっていった。
木山を固定していた砂鉄が崩れ、木山は息を荒くして咳をする。
「!!がふっ、げほげほっ!げうううう」
過去最大のトラウマを掘り起こされて精神のバランスが揺らいだ。
「お、お前......!!」
「フーフー!!?観られたのか......!?」
サソリに向かって千切れた電線を念力を飛ばそうとするが、強烈な頭痛にサソリに当たることなく地面に落ちる。
「がッ......」
サソリは、写輪眼から伝わる巨大な感情の波に頭を掻き乱された。
凄まじい憎悪と決意を真に受けて、自分を冷静に抑えつける。
「そ、そいつらは?」
サソリは質問をした。
「研究棟に今も意識不明で横になっている。あの子達は使い捨てのモルモットにされた」
「人体実験か」
木山は、手を挙げるとサソリに向け火炎を放つが、チャクラが戻っているサソリは難なく避ける。
サソリの脳内に木山の叫びが強くこだました。
23回
あの子達の恢復手段を探るため、そして事故の原因を究明するシミュレーションを行うために、「樹形図の設計者(ツリーダイアグラム』の使用を申請して却下された回数
あんな悲劇、二度と繰り返させはしない
そのためなら私は何だってする
この街の全てを敵に回しても止まる訳にはいかないんだっ!!!
「!?」
サソリは、木山の必死な狂気の声に表情を強張らせた。
オレと同じか?
いや、オレとは比較にならん程の経験
全てに復讐をする
そう思って戦闘に明け暮れた忍としての日々。
「ぐう!頭が......割れそうだ」
サソリは、リンクした木山の感情と強烈な喪失感を肢体に受けた。
強い愛情を失った時、より強い憎しみに取って変わる。
この世界の不条理にして残酷さを知ったサソリの写輪眼は、闇の力がより濃くなっていく。
サソリの巴紋が互
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ