暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第21話 木山の過去
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しまった
本当にいい迷惑だ

月日が流れ、秋になり生徒達で企画してくれた自分の誕生日を祝ってくれた。
クラッカーを鳴らされ、ちょっとした花束をプレゼントしてくれた

白衣を取られて、追いかけたり
雪が降れば、雪だるまを作ったり
雪合戦で雪玉をぶつけられたり
自分の目つきの悪い下手な似顔絵を見せられたり

全く......良い迷惑だ。

そんな日常も悪くないなと思っていた頃に運命の日がやってきてしまう。

AIM拡散力場制御実験
長い期間をかけて何度も繰り返し準備してきた
何も問題はない
これで先生ゴッコもおしまいだ

「怖くないか?」
実験用のカプセルに入る生徒に声をかける。
「全然!だって木山センセーの実験なんでしょ?センセーの事信じてるもん、怖くないよ」

これでおしまい......実験が終われば私は、研究者として順当に出世が出来、生徒達はそれぞれ別の道を歩みだす......はずだった。

突如として流れる警告音
異常を知らせるモニターの画面。
忙しなく動き回る研究員達。
「ドーパミン値低下中!」
「抗コリン剤投与しても効果ありません!」
「広範囲熱傷による低容量性ショックが......」
「乳酸リンゲル液輸液急げ!!」
「無理です!これ以上は......」

木山はモニター室で恐ろしく自分の想定とは離れた現実の実験にただ立ち尽くすしかなかった。

どこでミスをしたのか
どこが間違っていたのか
渡された実験内容を頭の中で諳んじて確認するが間違いを疑う箇所は見当たらない。
安全な実験のはず
事故なんて起きない

センセーの事信じてるもん
怖くないよ

その言葉の残酷をその身に受け、罪の刻印を身体に刻み込まれた気がした。

もう、取り返しがつかない
どうすることもできない
どうにもできない

進行し、広がるアラームの音と研究員達の中で木山は震えていた。

頭の整理が追いつかない

「早く病院に連絡を......!」
「あー、いいからいいから。浮足立ってないでデータをちゃんと集めなさい」

「いやですが......」
「ほほう!これはこれは......この実験については所内に緘口令を布く。実験はつつがなく終了した。君達は何も見なかった......いいね?」
「は......はい」
震えて固まる木山に向けて元締は腰に手を当てて近づく。
「木山君、よくやってくれた。彼らには気の毒だが......科学の発展に犠牲はつきものだ。今回の事故は気にしなくていい」

犠牲?
あの子達が犠牲?

「君には今後も期待しているからね。じゃ、あとはよろしくー」

実験が終わり、帰ってきた者は以前の子では無くなっていた。
生命維持装置を付けられ
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