第32話胸が痛むんだ
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ログラム?」
「知ってるのか!?」
ヒースクリフが突然聞いた事もない単語を呟いたため、オレは思わず過剰反応をしてしまった。
「友人が酒に酔っていた時に言っていた。このSAOは一つの巨大なシステムによって動いているそうだ。名前は《カーディナルシステム》。どういう仕組みかは分からないが、人間のメンテナンスを必要としないそうだ」
「《カーディナルシステム》・・・」
《カーディナルシステム》ーーー人間のメンテナンスを必要としない存在として設計されたーーー謂わば世界で、地球上で他にない最大のシステム。そのシステムはSAOのバランスを自らの判断に基づき、制御している。モンスターやNPCのAI、通貨の出現バランス、その他の何もかもが《カーディナル》の管理するプログラム群に操作されている。そうーーー
「・・・プレイヤーのメンタル的ケアですらも」
「それが《MHCP》・・・メンタルヘルスカウンセリングプログラム」
《カーディナル》ではプレイヤーのーーー人間の心のケアですらプログラムにやらせていた。
《MentalHealthCounselingProgram》、その頭文字を取って《MHCP》ーーーあれ?だとしたらユイちゃんはーーー
「・・・AI?」
AIーーー難しい言い方にすると、人工知能とも言う。つまりユイちゃんは人間にーーー《カーディナルシステム》に造り出された存在だということになる。もしこれをキリトやアスナさんに伝えたらーーーどうなるんだ?あの二人はユイちゃんと向き合えるのか?
ーーーずっと・・・ずっと一緒だよ。ユイちゃんーーー
ーーーあぁ、ユイは俺達の子供だーーー
いや、大丈夫だな。きっとーーー
「ありがとうございます、団長殿。今日はこれで」
「・・・もう良いのかな?ライリュウ君」
オレはあの二人をよく知ってる。この世界で初めて会った二人をよく知ってるってのはおかしいかもしれないけど、キリトとアスナさんなら、ユイちゃんを受け入れるーーー受け入れてるだろうな。オレはヒースクリフにお礼を言って第1層に戻ることにした。
ヒースクリフの言葉にも気付かずにーーー
「・・・《カーディナル》に逆らったのか」
ーーー未来から聞いた話によれば、ユイちゃんは記憶を取り戻し、自分が何者なのかを思い出したそうだ。だけど《カーディナルシステム》にエラーと判断されデータごと消去されそうになってしまった。その時はとっさにキリトがユイちゃんのプログラム本体を《カーディナル》から切り離し、小さな青い雫形のオブジェクト化して、ユイちゃんの完全な消滅は阻止出来たらしい。
第75層ボス攻略後、その時に明らかになった衝撃の事実。その瞬間、ユイちゃんの事を思い出したらーーー
ーーー絶対ェ許さね
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