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逢えぬ日を
数え眺むる
落陽を
形見とぞ思ふ
夕べなりける
彼に会えない日々…太陽が山陰へと落ちるのを見ると、また一日…と、思ってしまう…。
彼は…私になぞ会いたいとは思うまい…。
思うはずはないのだ…。
だが…私は会いたくて仕方無い…。
そんな想いが無償に侘しく…沈む夕陽さえ、今日の形見と目に焼き付ける様に眺めてしまう…。
そんな…一人切りの夕べ…。
山の端に
留めし月の
わが恋の
沈み果敢無む
春の夜の夢
山陰へとその身を隠そうとしている…まるで片想いのような半月…。
その月を見ていると、何だか自分の片想いさえもう…終わりにしなくてはならない気がして…。
刻一刻と沈む月…それがまた、自身の想いの儚さを示しているようで…。
彼に恋をして…愛して…その全てを欲して…そして、そう思う自分の醜さに絶望して…。
きっといつか…春の淡い夢のように、思い返すのかも知れない…。
その時…私は幸せなのだろうか…?
それもまた…春の夜の夢…。
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