蛇姫たちの留学
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ゃん。完全に」
「あはは。確かに」
ただ、シリルは顔を赤くしてスカートの裾を引っ張ったりしてるから、少しエロい感じになっている。なんだか下着を穿き忘れたみたいな、そんな印象になっちゃうんだよねぇ。
「準備はできたみたいだな」
そこに、まるで図ったかのようなタイミングでカグラがやって来る。彼女はレオンとラウルをじっと見て、何かを考えている。
「これなら間違いなく男とはわからんだろうな」
一、二度うなずきながらそう呟くカグラ。彼女は二人が男とバレると、後でギルドの評判に影響が出るから、じっくりと観察してたみたい。でも留学に来たのが二人でよかったぁ。二人ともまだ幼いから、女装すれば絶対バレないもんね。
「蛇姫の鱗のみんなには、接客をしておいてもらいたい」
「「「「接客?」」」」
開口早々彼女はそう言う。ギルドで接客なんて全然予想してなかった。説明を聞いていると、人魚の踵には一般のお客さんをもてなすレストランがあるらしく、あたしたちにはそこでウェイトレスをしてほしいとのことだった。
「俺、どんな依頼があるのか気になってたのになぁ・・・」
残念そうにため息をつく金髪の少女・・・に扮しているレオン。彼はここ最近、大魔闘演武で名を馳せたこともあり、ずっと討伐の依頼でばかり指名されている。他の依頼に行こうにも、イップスに陥っていた一年間の間に『氷の神』宛の依頼書が相当数来ていたらしく、全然消化できていないらしい。
そこで、今回の留学でレオンには骨休めと気分転換をしてもらおうとリオンとジュラさんが考えてくれたらしい。本人は依頼が溜まるのが嫌だったから首を横に振り続けていたが、やれそうな依頼はギルドのメンバーでやっておくの一言で喜んで飛び出してきたのだ。
「心配するな。ちゃんと午後には依頼を用意しておく」
ガッカリしているレオンに対し、カグラがそう言う。お昼までの時間帯が一番混み合うらしく、それまではあたしたちに手伝ってもらい、最後に何かしらの依頼をやらせてくれるらしい。
「まぁ、そういうことなら・・・」
服のどこからかチョコレートを取り出して食わえるレオン。だが、それを見た瞬間カグラがチョコレートを奪ってしまう。
「ここでは物を食わえるな、誰だかすぐにわかる」
「申し訳ない」
四六時中何かしら食べ物を食わえているレオン。大魔闘演武の時にはシリルとの最終局面でもチョコバナナを食べるというマイペースぶりを披露していた。だから何を選んだにしても、見る人から見ればこの少女がレオンだということにすぐに気付いてしまうかもしれない。それを考慮して、彼女はそう注意したのだった。
「それと・・・一人称は“私”にしてくれ」
「「・・・はい」」
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