蛇姫たちの留学
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た後ろの女の子たちは、付いていくべきか彼女たちの邪魔をしないべきか迷っているようだった。
「お姉ちゃん!!」
すると、少女たちの元に小さな小さな妖精さんが現れる。
「あ・そ・ぼ!!」
そういって彼女たちの服を引っ張っているのはまだギルドの魔導士ではないが、よくギルドに顔を出すアスカちゃん。
そして、彼女を見た少女たちの反応はというと・・・
「「か・・・可愛い!!」」
お決まりのメロメロ状態。やはりアスカちゃんは癒し系なようで、少女たちは彼女に手を取られてギルドの奥へと連れられていく。
「あれ?シェリア、レオンとラウルはどうしたの?」
俺とシャルル、セシリーが座っている席へとシェリアを連れてきたウェンディ。彼女はもう一人の友達であるレオンたちの姿が見えないことに気付き、彼と行動を共にしている少女へと確認している。
「ちゃんと来てるよ。ほら」
「「「「?」」」」
シェリアはギルドの扉の方を指さす。そこには確かに金の髪をした少年と、その頭の上にオレンジ色の猫が乗っかっている・・・のはいいんだけど・・・
「ね・・・ねぇシェリア・・・」
「ん?どうしたの?」
こちらにゆっくりと向かってくる少年と猫を見て、俺は背筋を凍らせていた。いや、俺だけじゃない。ギルドの人たちも、二人の方をどこか怯えたような目で見ている。その理由は至って簡単だ。なぜかっていうと・・・
(ムス〜)
(ヘロヘロ〜)
レオンが明らかに不機嫌そうな顔をしているからだ!!しかも、ラウルは自分の力で動く気力もないのか、ただグッタリとレオンの頭の上に乗っかっているだけの状態。万が一レオンが躓きでもしたら、たぶんそのまま何もできずに落っこちることは間違いないだろう。
「あの二人・・・何かしたの?」
これはおかしい。絶対におかしい。ラウルがレオンの頭の上、もしくはシェリアの頭の上に乗っているのは日常茶飯事だ。たぶん一番収まりがいい場所なのだろう。だが、あの様子は見たことがない。ラウルが何かしているところをあまり見たことがないからなのかもしれないが、相当疲労しているのが見てとれる。
そしてもっとも違和感があるのはレオンだ。彼は普段は無表情で飄々としている。怒る時は一時的に声を張り上げたりするが、それもほんのわずかな出来事にすぎない。
なのに今は違う。俺たちが彼の姿を確認してからずっと仏頂面をしている。目もどこか虚ろだし・・・あ、それはいつものことか。
「今・・・シリル失礼なこと考えてなかった?」
「キノセイダヨ」
「なんで片言なの?」
シェリアに図星を突かれたことで話し方がおかしくなってしまった。シェリアはレオンのことが好きなんだし、おかしなことをいうと殺される可能性があるから注意しておこう。
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