蛇姫たちの留学
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次の日・・・
「フフフ〜ン♪」
朝ギルドに着くと、真っ先にウェンディを探す。彼女はギルドに来る時間が不安定な俺と違い、いつも通りの時間に来ているようで、今日はすでにテーブルに肘をついて何やら鼻唄を歌っていた。
「ど・・・どうしたの?ウェンディ」
なぜそんなに上機嫌なのかわからない俺は、少々不安を感じながら少女に声をかける。
「だって、すごく楽しみじゃん!!今日来る人たち考えたら」
いつにも増して可愛さが滲み出ている笑みを浮かべるウェンディ。それを向けられた俺は一瞬ドキッとした後、思わず顔を反らしてしまう。それはドキドキしたのを隠すためでもあったのだけど、本当の理由は・・・
「ヤバい・・・何の話をしてるかさっぱりわからない・・・」
彼女がなぜウキウキワクワクしているのかわからないからだ。今日来る人たちって・・・
「あ!!」
そこまで来て、ようやく何のことだか理解できた。今は交換留学の期間中。つまり、彼女が待ち遠しそうにギルドの扉の方を見ているのは、今日来る留学生たちに秘密があるんだと思う。
「今日はどこが来るんだっけ?」
昨日の一件のせいで色々と疲れてしまい、今日来るギルドを確認したはずなのに、頭から抜け落ちている。なのでウェンディに聞こうとすると、彼女はなぜか頬を膨らませていた。
「えぇ〜。シリル忘れちゃったの?」
「ご・・・ごめんなさい・・・」
怒っているウェンディを見て申し訳なく思い、頭を下げながら彼女の正面に座る。確か昨日が天馬だったんだから今日は・・・
「蛇姫の鱗・・・だっけ?」
「ピンポーン!!正解!!」
人差し指を立ててニッコリ微笑むウェンディ。それに癒された俺はさっきの不安な気持ちが一瞬で吹き飛んでいた。
「ラミアってことは・・・もしかしてシェリアが来るの?」
ウェンディがこんなにワクワクしてるってことは、友達であるシェリアが留学に来るということなのだろうか。二人は大変仲がいいし、それなら彼女がこんなに上機嫌なるのも納得ができる。
「うん!!それに、レオンとラウルも来るみたいだよ!!」
ウェンディはそう言うと、昨日ミラさんから渡されたパンフレットの留学生の名前が記載されているページを開いて見せてくれる。そこには五人ほどの名前が書いてあり、その中には確かにレオン、シェリア、ラウルという名前が書いてあった。
「それでねシリル!!前言ってたこと覚えてる?」
「前言ってたこと?」
顎に手を当てて記憶を掘り起こしてみる。今このタイミングで言うということは、この三人も関わっているはず・・・それから推測すると彼女が言いたいことは・・・
「エクシードの村に行こうってこと?」
「うん!!」
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