16部分:第十六章
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切君はそれで済まないと言った。
「あの電気鞭の高圧電流が放たれたらそれこそね」
「何もかもが終わるっていうかな」
「もう全部がね」
「それって歴史が変わるぜ」
「もうコロシアムどころじゃないよ」
彼等は小田切君の言葉にいよいよ深刻な顔になる。
「どうするよ、本当に」
「ローマが滅んだら」
「参ったなあ。僕達じゃどうしようもないし」
そもそも博士を止めることは小田切君にも彼等にもできはしない。
「本当にね。どうしたものかな」
「この状況はよ」
「洒落にならないよ」
「案ずるには及ばん」
しかし絶好のタイミングで彼等の後ろから声が聞こえてきたのだった。
「それはな」
「!?この声って」
「まさかって思うけれどよ」
「来たんですか?この時代にも」
「わしを誰だと思っておるだぎゃ」
尾張弁だった。聞き間違えようのない。
「わしはあらゆる時空を超えて生きる者。左様、どの時代にも姿を現わすことができるのじゃ」
「だからここに来られたんですね」
「そうじゃ。あの男の暴挙はわしが止める」
彼等の横に来ての言葉だ。
「今ここでな」
「ほう、来たか」
博士もまたその声を聞いて観客席を見るのだった。
「やはりな。来たのじゃな」
「わしが来るとわかっていたのじゃな」
「来ない筈がない」
確信していたと言い切るのだった。
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