四十話:戦況
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ことはやめても良いんです! あなたはそんなことを望む人じゃないでしょ!」
「……いいや、分かっているはずだ。僕は家族だって利用する人間だとね」
話はこれで終わりだとでも言うように切嗣はスバルの首筋にナイフを押し当て、盾に取る。もう引き戻させることはできないのかと歯噛みしつつ、なのはとフェイトは戦闘態勢を取る。スバルを単独で人質に取ったということは動きやすくし、この場から逃げるということだ。はやての為にもスバルの安全のためにもこのまま逃げさせるわけにはいかない。
しかし、フェイトには一つ気になることがあった。スバルの脚はとてもではないが素早く動けるものではないのだ。切嗣自身が切ったことでまともに歩くことは難しくなっている。だと言うのにスバルを人質に選んだ。切嗣がわざわざ足手まといを連れていくとは思えない。たまたま近くに居るスバルを選んだのか、元々それが目的なのか、もしくは―――
「なのは! すぐに抑えないと逃げられる!」
「良く分かったな。だが、もう遅い」
事前にヴィータから聞いていた情報を思い出し慌てて確保に向かおうとするが時すでに遅し。地面の中からセインが飛び出てきてそのまま切嗣とスバルを掴んで再び地面に潜り込んでいく。スバルは最後の抵抗を試みるが後頭部をナイフの柄で殴られ気を失いそのまま連れ去られてしまう。その余りの手際の良さにフェイトは思わず貌を歪めて悔しがる。
「スバルッ!? すぐに追わないと!」
「ティアナ、待って。その体じゃ追えないよ!」
「でも、なのはさん、スバルが…ッ!」
スバルが連れ去られたことで普段の冷静さを失い今すぐにでも追おうとするティアナだが足と手を撃ち抜かれた彼女ではとてもではないが追えない。悔しさのあまり噛みしめた唇から血を流しながらティアナは俯く。
なのはも冷静を保つようには言ったが内心では少なからず焦りと悔しさが生まれていた。だが、相手を追おうにも地下に潜りこまれてはどうしようもない。魔法ではない技術の為に探知もできない。
地下ごと破壊してしまうという手もあるがこんなところで使えば例え非殺傷で相手が傷つかなくとも瓦礫などで潰れて死んでしまう。相手の目的地さえわかればなんとなるのだがそれが分かっていればこんなところにはいない。現状、打つ手なしである。
「とにかく一度情報を整理しないと―――」
【―――こちらグリフィス、至急救援を求めます!】
さらに悪いことは続くものである。六課の留守を任されていたグリフィスから救援の連絡が届く。先程までは何とか防衛線を維持していたものが破られたということは何かがあったということに他ならない。
「一体何があったの? グリフィス君」
【敵と戦闘中に新たな敵が―――大量のタンクローリーに突撃さ
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