四十話:戦況
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れている。
故に何も考えない状態に戻すのはそれほど難しいことではない。ただの機械のように自分に与えられた使命だけを忠実にこなす。そこに疑問を感じることもなければ不満を抱くこともない。人と機械の中間というよりは機械に近い存在である。
「ツインブレイズ、これで終わらせます」
「レイストーム、落とすよ」
「来るぞ!」
「しかし、こうしてあなた達と隣り合って戦う日が来るとはね……」
「そういう感慨深いことは後で話しましょ」
二本の光剣を握るディードに緑色のエネルギー破を拳に宿すオットーと相対るすザフィーラ達。そんな自分達の様子がおかしいのか、複雑そうな声で仮面の男は呟く。その声は確かに男のものであったがどこか女性らしさを感じさせるような弱さがあった。
それに気づいたシャマルが後で話そうと促し、気持ちを切り替えさせる。彼女達の間には一言では言い表せない複雑な事情がある。しかし、今それを意識して戦い、油断を見せれば明日には両方が棺桶に入っていることだろう。
「ここは主はやての、部隊員の帰る場所! 必ずや守護してみせる!」
ザフィーラの雄叫びを合図として両者は激しくぶつかり始めるのだった。
地上本部会議室、つい数時間前までは白熱した議論が行われていたここも突如現れたスカリエッティ達の攻撃によりその姿を様変わりさせていた。外からの侵入を防ぐ頑強な扉は皮肉にも自らを閉じ込める檻となり管理局の重役達を閉じ込めていた。
そう、今は過去形である。重役達といえども緊急事態に椅子に座ってふんぞり返っているだけではない。外からの有志と協力をすることでなんとか扉をこじ開けることに成功したのだ。扉が開いた以上はいつまでもここに居る必要もない。すぐにでも全員が出ていく、というわけにはいかず、会議室に居た人間の半分以上は未だにその場にとどまっていた。
「外の状況はどうなっている? そもそも相手の何者だ?」
「外の様子は各地に居る部下から情報を集めて情報を整理しているところです。敵は情報によると戦闘機人とガジェット、裏にはジェイル・スカリエッティがいる可能性があります」
それは少しでも新しい情報を得るためである。これからの対策を練るために、少しでも利益を得るために、この不祥事を利用するために。各々が様々な思惑を巡らす中、情報を最も多く握る者が会議室の中央に居た。
テロの鎮圧にあたっている機動六課の部隊長、八神はやてである。現状、はやては状況を説明するという役割を担っているために戦闘に出ることも指揮を執ることもできない。だが、それは本来ならばの話である。自ら率先して最新の情報を集めてそれを公表しここに居る者達に利益を与える。
一見するとはやてには利益が無いように見られるがそう
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