第31話子供は時に本質を見抜く
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件で抗議に来たって事ですか?」
「いやいや、とんでもない。その逆です。よくやってくれたとお礼を言いたいくらい・・・」
『?』
「オレ達に頼みたい事があんだとよ」
昨日のカツアゲを邪魔した事を怒って来たんじゃなくてお礼を言いに来たんだ。なんだ、まともな人がいるじゃないーーーそれにしても、頼み事ってなんなの?
******
「元々私達は・・・いえ、管理者シンカーは決して今のような独善的な組織を作ろうとしていた訳ではないんです。ただ、情報や食糧をなるべく多くのプレイヤーで均等に分かち合おうとしただけで・・・」
「だが、《軍》は巨大になりすぎた」
「その成れの果てがアレか」
組織が大きくなれば意見もバラバラになって内部から崩壊する。《アインクラッド解放軍》の創設者、シンカーさんはそんな事になるとは思わなかったんだ。
「はい。内部分裂が続く中、対当してきたのがキバオウという男です」
「ああ、あの関西弁の・・・ムシバオウのおっさんか」
「ライリュウくん、キバオウだよ」
「そういやそんな名前だったっけ?あの歯槽膿漏のおっさん」
「症状が悪化してるよ。完全にわざと間違えてるでしょ」
あたしもあの関西弁の人は嫌いだけどーーー何もそこまでディスらなくてもいいと思う。この前なんかヨルコさんに「歯肉炎のおっさん」って言ってたらしいし、どんだけ嫌いなのあの人の事。
「キバオウ一派は権力を強め、効率の良い狩場の独占をしたり、調子に乗って徴税と表した恐喝紛いの行為すら始めたのです」
「ふざけろあのクソ野郎」
「ライリュウ、ユイもいるの忘れるなよ」
キリトくんが竜兄を叱っているのは視界の隅に置いといてーーー確かに聞いたことがある。《軍》は権力に物を言わせて効率の良い狩場を独占して自分達ばかりレベリングして強くなったり、そして昨日の徴税ーーーみんなキバオウのせいなんだ。そんな人達がいるならみんな《ビーター》なんてどうでもよく感じるよ。キリトくんもそれで孤独な生活してたらしいし、竜兄だって《二代目ビーター》を名乗ってから周りの竜兄を見る目が少し変わってきてたし。まあシリカちゃんやリズさんは変わらなかったけどーーー
「でもゲーム攻略を蔑ろにするキバオウを批判する声が大きくなって、キバオウは配下の中で最もハイレベルのプレイヤー達を最前線に送り出したのです」
「コーバッツさん・・・」
「・・・チッ」
コーバッツさんーーーキバオウの部下だったんだ。確かに74層迷宮区塔の安全エリアでキリトくんからマッピングデータをタダで要求してきたし、言われてみれば納得出来る。25層のボス攻略でキバオウがメンバーを撤退させなかった
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