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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第51話 血の約束
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り、この状態で モカの様な美少女に迫られて、照れない(やつ)がいたら見てみたいもんだ。

「………だよね……。うーん………、 おかしいなぁ……… わたし…」

 そう言うと、モカは今度はカイトの首元に顔を近づけてきた。

「……欲しくなるのは人間の血なのに……。 つくねの時だって、あんなに吸いたいと思った訳は、正体が人間だったから、だし…… ……う〜〜ん……、今朝で貧血気味だから…かなぁ………?」 
 
 それは、もはや会話では、無く。モカの盛大な独り言だ。

 その独り事の内容を訊いて、カイトは完全に確信した。

「(……血を、狙われている……、よな? これ。って、このままじゃ、絶対吸われる!?)」

 だが、次の行動はモカの方が早かった。

「……ねぇ……ちょっとだけ! ちょっとだけっ!! 良い、かなぁ……」

 モカは、ボーっとした状態だった。いや、違う。頬を赤らめており、何処か悶えている色っぽい仕草。艶っぽい表情。
 見蕩れかねない顔なのだが、ストップを掛けるカイト。

「ちょ、ちょーーーッと待った!!!」

 流石にいきなり吸われるのは抵抗がある様だ。現に月音が吸われている場面を見ているから、尚更抵抗がある。……何よりも、この役は月音だ。

「あぁ……! カイトー。そー言わずにさぁ……、ちょっと、ちょっとだけ、味見するだけでいいから。ね?」

 モカはウインクしながら手を合わせて強請る。正直、モカの願いなら訊いて上げる事だってやぶさかではないが、事が事だ。

「……そんなかわいい顔してねだってももダメだって。オレを飲み物扱いしないっ! オレ第一人間じゃないし、吸血鬼(バンパイア)が好きなのは、人間の血だろ? 混じると変になるって! 月音の吸う時、味落ちるってっ」

 カイトは色々と理由をつけて拒否するけれど。

 ……正直なところ、このまま モカに上目使いで見つめられながら、頼まれると…………。

『か・な・り心が揺らぐ……』

 先程、カイトがモカに言った通り、カイトも健全な男子学生だ。思春期真っ只中だから。


 そんな時救世主が現れた。……月音だった。

 遠目から見て判ったが、何やら封筒? の様な物を両手で握り締めている様だ。

「ほっ ほら! モカ! 月音だぞ。モカにとって、大本命の血液所持者の! ほら、あいつのは、ミネラル、コク……、全部サイコーなんだよね?」

 モカに、じりじり追い詰められてた為、思い切って月音を、差し出すかのようにモカに言った。

「あ! ホントだ!! ……それに、昨日の事 つくねにもお礼を言わないと………」

 モカの標的?が、完全に変わった瞬間を見た。

「(よーしっ!)だったらさ、早く行こう! 朝の挨
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