14部分:第十四章
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第十四章
「あれっ、ここって」
「何処なんだ?」
まずライゾウとタロは周りを見回した。
「ええと、おいら達何かグラウンド?にいるよな」
「しかも円形の」
とりあえずそれはわかったのだった。
「で、周りは」
「何か上の方まで席があって人が一杯いるよね」
「おいら達を取り囲んで?」
「しかもあの服って」
彼等はそれぞれ言う。しかしまだ状況が飲み込めていない。しかし小田切君はその席に座る人達の服を見て言うのだった。
「ここってさ。まさか」
「あれっ、知ってるのか?」
「何処なの、小田切君。ここって」
「コロシアムだよ」
こうライゾウとタロに答えるのだった。
「ここはね」
「コロシアム!?」
「あのローマの!?」
「うん、間違いないね」
また答える小田切君だった。
「ここはね。ほら、観客席の人達を見て御覧よ」
「ああ、そういえばな」
「あの服は」
紛れもないローマの服だった。男は丈の短いスカートにサンダルであり女は丈の長いスカートである。中にはトーガを着ている者もいる。それはどう見てもローマのものであった。
「だよなあ。ローマ帝国だよな」
「じゃあやっぱりここはコロシアムなんだ」
「うん、間違いないよ」
小田切君の返答は変わらなかった。
「コロシアムだよ、ここは」
「また何でこんなところに来たんだ?」
「タイムスリップにしろ。コロシアムの中だなんて」
「さてね。そこまではわからないけれど」
流石にどうしてコロシアムの中に来てしまったかまではわからない小田切君だった。もっと言ってしまえばわかる筈もない話であった。
「とにかくさ。問題はだよ」
「おいら達がコロシアムの中にいるってことだよな」
「そうなんだよな」
ライゾウとタロもこのことに気付いた。そして当然ながらコロシアムにおいては何をするのかということもまた知っているのだった。
「おいら達が剣闘士と闘うってのかい?」
「それか猛獣と?」
「若しくは処刑とかね」
小田切君の予想は彼等のものよりも遥かに悲観的なものであった。
「ほら、ローマ帝国の時代ってキリスト教徒をコロシアムで猛獣の餌にしてたじゃない」
「おいおい、じゃあおいら達が餌かよ」
「冗談じゃないよ、それって」
ライゾウとタロは餌と聞いてすぐにその目を顰めさせた。
「餌になる位ならよ、とっとと逃げるぜ」
「他の時代に行こうよ」
「そうだね。逃げた方がいいね」
小田切君も彼等の意見に頷くのだった。
「じゃあ。すぐにでも」
「おうよ、それじゃあよ」
「すぐにね」
彼等は実際にそれぞれの首輪や腕時計に前足や手を当てた。そうしてすぐに自分達でタイムスリップしようとする。しかしその時だった。
「待て」
不意に観客達の中でとりわ
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